京王杯2歳ステークス(G2)



主催者

日本中央競馬会

競馬場

東京競馬場

創設

1965年10月17日

距離

芝芝1400m

格付け

GII

賞金

1着賞金3600万円、賞金総額7448万円

出走条件

サラブレッド系2歳(国際)(指定)

負担重量

馬齢(55kg、牝馬1kg減)

京王杯2歳ステークス(けいおうはいにさいステークス、英称:Keio Hai Nisai Stakes)とは、日本中央競馬会 (JRA) による競走である。東京競馬場の芝1400メートルで行われており、出走できるのは2歳馬に限られる。2014年現在、G2に格付けされている。
JRAの2歳重賞として、牡馬のG1朝日杯フューチュリティステークスと、牝馬のG1阪神ジュベナイルフィリーズの前哨戦となっている。

概要

京王杯スプリングカップと同様に、優勝杯を提供する京王電鉄から冠名が取られている。京王電鉄は東京競馬場の最寄の駅である府中競馬正門前駅に乗り入れをしている鉄道会社である。2014年現在、現存する2歳重賞としては3番目に古いものである。
1965年に京成杯3歳ステークスとして創設。当初は中山競馬場の芝1200mで施行されていた[注 1]。
1980年からは東京競馬場・1400メートルでの施行に変更された。しかしこの移転後、「京王帝都電鉄」の沿線にある東京競馬場で「京成杯3歳ステークス」が行われ、一方で京成電鉄の沿線にある中山競馬場で「京王杯オータムハンデキャップ」が行われる(同年に東京競馬場から中山競馬場へ移転)というねじれ現象が発生することになった。そこで、京王・京成両者の合意を得て寄贈賞を入れ替え、1998年に京王杯3歳ステークスに改称した。(京王杯オータムハンデは京成杯オータムハンデに改称した。)
2001年からは日本国内での馬齢表記が国際標準にあらためられ、「3歳馬」を「2歳馬」と表現することになったため、現競走名となっている。

格付

1984年のグレード制施行されると、GIIに格付けされた。
2007年に日本がパート1国になると、すべての競走が国際標準に則って格付けされることが求められた。京王杯2歳ステークスは国際標準のG2の基準に満たなかったため、「GII」と表記することを認められず、JRAは「JpnII」と表現を改めた。その後、国際的なG2基準を満たしたために2010年から「G2」表記となった。

競走条件

出走資格は、サラブレッド系2歳のJRA所属馬(外国産馬含む、未出走馬及び未勝利馬は除く)、地方競馬所属馬(4頭まで)、及び外国調教馬(9頭まで)。
負担重量は馬齢で、牡馬・セン馬は55kg、牝馬は54kgである。

歴史

1965年 - 3歳(現2歳)の競走馬による重賞競走として京成杯3歳ステークスが創設され、中山競馬場・芝1200mで施行された。
1968年 - 東京競馬場のスタンド増設工事に伴う振替開催により、東京競馬場・芝1400mで施行。
1975年 - 京葉労働組合の労働協議の影響による開催中止の振替開催により、東京競馬場・芝1400mで施行。
1980年 - 施行場を東京競馬場・芝1400mに変更。
1984年 - グレード制施行によりGIIに格付け。
1989年 - 混合競走に指定。
1990年 - 境勝太郎が調教師として史上初の連覇。
1995年 - 指定交流競走に指定され、地方所属馬は4頭まで出走可能になる(阪神ジュベナイルフィリーズ出走候補馬及び朝日杯フューチュリティステークス出走候補馬がそれぞれ2頭)。加藤和宏が騎手として史上初の連覇。
1998年 - 京王電鉄と寄贈杯提供競走(京王杯オータムハンデキャップ)を入れ替え、京王杯3歳ステークスに名称変更。
1999年 - 蛯名正義が騎手として2人目の連覇。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳」から「2歳」に変更。競走名を京王杯2歳ステークスに変更。
2002年 - 東京競馬場の改修工事による振替開催により、中山競馬場・芝1200mで施行。
2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告に伴い、重賞格付け表記をJpnIIに変更。
2010年 - 国際競走に指定され、外国馬は9頭まで出走可能になる。この年より正式にGIIとして認められる。
2014年 - 秋季番組全体の見直しに伴い、開催時期を1週早める。

歴代優勝馬

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1965年10月17日 中山 1200m ハイアデス 牡2 1分12秒0 加賀武見 小西喜蔵 椎野浅五郎
第2回 1966年11月20日 中山 1200m メジロフレーム 牡2 1分11秒0 矢野一博 八木沢勝美 北野豊吉
第3回 1967年10月29日 中山 1200m ヤマトダケ 牝2 1分13秒2 島田功 稲葉幸夫 北條三郎
第4回 1968年10月20日 東京 1400m ショウゲッコウ 牝2 1分26秒0 佐藤征助 田中朋次郎 村松健一
第5回 1969年11月2日 中山 1200m アローエクスプレス 牡2 1分10秒7 加賀武見 高松三太 伊達秀和
第6回 1970年10月10日 中山 1200m スズランパス 牝2 1分10秒5 郷原洋行 西塚十勝 鈴木武二
第7回 1971年10月10日 中山 1200m トクザクラ 牝2 1分13秒2 田村正光 梶与四松 (有)徳間牧場
第8回 1972年10月15日 中山 1200m マミーブルー 牝2 1分10秒9 藤本勝彦 藤本冨良 竹内専一
第9回 1973年10月7日 中山 1200m カーネルシンボリ 牡2 1分13秒0 西野桂 野平省三 和田共弘
第10回 1974年10月20日 中山 1200m テスコガビー 牝2 1分10秒2 菅原泰夫 仲住芳雄 長島忠雄
第11回 1975年10月19日 東京 1400m フェアスポート 牡2 1分25秒2 嶋田潤 藤本冨良 (有)ターフ・スポート
第12回 1976年10月24日 中山 1200m セーヌスポート 牝2 1分12秒9 嶋田功 稲葉幸夫 (有)ターフ・スポート
第13回 1977年10月23日 中山 1200m タケデン 牡2 1分10秒0 岡部幸雄 鴨田次男 武市伝一
第14回 1978年10月22日 中山 1200m ジェットバージ 牡2 1分10秒4 郷原洋行 稗田善彦 上総興業(有)
第15回 1979年10月21日 中山 1200m シャダイダンサー 牝2 1分10秒1 竹原啓二 松山吉三郎 吉田善哉
第16回 1980年10月19日 東京 1400m タケノダイヤ 牝2 1分24秒8 中島啓之 仲住芳雄 大沢良丈
第17回 1981年11月1日 東京 1400m イーストボーイ 牡2 1分22秒4 根本康広 橋本輝雄 加藤久枝
第18回 1982年11月7日 東京 1400m ドウカンヤシマ 牡2 1分26秒3 郷原洋行 田中朋次郎 新井操
第19回 1983年11月6日 東京 1400m ハーディービジョン 牡2 1分25秒6 的場均 柄崎義信 鈴木健司
第20回 1984年11月4日 東京 1400m ダイナシュート 牝2 1分23秒6 柴田政人 矢野進 (有)社台レースホース
第21回 1985年11月3日 東京 1400m ダイシンフブキ 牡2 1分23秒2 菅原泰夫 柴田寛 高橋金次
第22回 1986年11月2日 東京 1400m ホクトヘリオス 牡2 1分23秒3 南田美知雄 中野隆良 森滋
第23回 1987年11月15日 東京 1400m シノクロス 牝2 1分23秒9 嶋田功 西塚十勝 福井裕
第24回 1988年11月13日 東京 1400m ドクタースパート 牡2 1分24秒0 的場均 柄崎孝 松岡悟
第25回 1989年11月12日 東京 1400m サクラサエズリ 牝2 1分22秒9 木藤隆行 境勝太郎 (株)さくらコマース
第26回 1990年11月11日 東京 1400m ビッグファイト 牡2 1分23秒4 小島太 境勝太郎 戸澤澄
第27回 1991年11月10日 東京 1400m ヤマニンミラクル 牡2 1分22秒6 田島良保 浅見国一 土井薫
第28回 1992年11月15日 東京 1400m マイネルキャッスル 牡2 1分23秒0 柴田善臣 河野通文 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第29回 1993年11月13日 東京 1400m ヤマニンアビリティ 牡2 1分22秒9 横山典弘 浅見国一 土井薫
第30回 1994年11月12日 東京 1400m ゴーゴーナカヤマ 牡2 1分22秒0 加藤和宏 小西一男 和泉信一
第31回 1995年11月11日 東京 1400m アジュディケーター 牝2 1分23秒5 加藤和宏 佐藤全弘 関駿也
第32回 1996年11月9日 東京 1400m マイネルマックス 牡2 1分22秒9 佐藤哲三 中村均 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第33回 1997年11月8日 東京 1400m グラスワンダー 牡2 1分21秒9 的場均 尾形充弘 半沢(有)
第34回 1998年11月14日 東京 1400m ウメノファイバー 牝2 1分22秒8 蛯名正義 相沢郁 梅崎敏則
第35回 1999年11月13日 東京 1400m ダイワカーソン 牡2 1分23秒4 蛯名正義 増沢末夫 大和商事(株)
第36回 2000年11月11日 東京 1400m テイエムサウスポー 牡2 1分22秒3 和田竜二 柴田光陽 竹園正繼
第37回 2001年11月10日 東京 1400m シベリアンメドウ 牡2 1分25秒8 後藤浩輝 堀井雅広 藤田与志男
第38回 2002年11月9日 中山 1200m ブルーコンコルド 牡2 1分09秒4 秋山真一郎 服部利之 (株)荻伏レーシング・クラブ
第39回 2003年11月15日 東京 1400m コスモサンビーム 牡2 1分21秒8 武豊 佐々木晶三 岡田美佐子
第40回 2004年11月13日 東京 1400m スキップジャック 牡2 1分22秒1 勝浦正樹 高橋裕 ディアレスト
第41回 2005年11月12日 東京 1400m デンシャミチ 牡2 1分23秒3 柴田善臣 田中章博 小田切有一
第42回 2006年11月11日 東京 1400m マイネルレーニア 牡2 1分22秒6 松岡正海 西園正都 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第43回 2007年11月10日 東京 1400m アポロドルチェ 牡2 1分22秒7 後藤浩輝 堀井雅広 アポロサラブレッドクラブ
第44回 2008年11月15日 東京 1400m ゲットフルマークス 牡2 1分21秒6 四位洋文 岩戸孝樹 ジェイアール
第45回 2009年11月14日 東京 1400m エイシンアポロン 牡2 1分22秒0 池添謙一 岡田稲男 平井豊光
第46回 2010年11月13日 東京 1400m グランプリボス 牡2 1分21秒8 M.デムーロ 矢作芳人 (株)グランプリ
第47回 2011年11月12日 東京 1400m レオアクティブ 牡2 1分22秒1 横山典弘 杉浦宏昭 田中博之
第48回 2012年11月10日 東京 1400m エーシントップ 牡2 1分21秒2 浜中俊 西園正都 (株)栄進堂
第49回 2013年11月9日 東京 1400m カラダレジェンド 牡2 1分23秒1 田辺裕信 尾形和幸 子安裕樹
第50回 2014年11月8日 東京 1400m セカンドテーブル 牡2 1分21秒5 戸崎圭太 崎山博樹 山上和良

2歳G1の前哨戦として

かつて朝日杯3歳ステークス(現在の朝日杯フューチュリティステークス)は関東所属の3歳(2001年以降の表記では「2歳」)馬のチャンピオン戦、阪神3歳ステークス(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)は関西所属の3歳馬のチャンピオン決定戦となっていた。
本競走は、創設当初から主に関東圏での「朝日杯3歳ステークス」の前哨戦と位置づけられていた。一方、関西では「阪神3歳ステークス」の前哨戦としてデイリー杯3歳ステークスが設けられていた。
1991年に、「朝日杯3歳ステークス」が牡馬限定戦(朝日杯フューチュリティステークス)、「阪神3歳ステークス」が牝馬限定戦(阪神ジュベナイルフィリーズ)となって大きく性格を変えると、京王杯3歳ステークスは牡馬・牝馬それぞれにとっての前哨戦となった。
これ以降では、マイネルマックス(1996年)、グラスワンダー(1997年)、コスモサンビーム(2003年)、グランプリボス(2010年)が、本競走と「朝日杯フューチュリティステークス」を連勝している。

朝日杯フューチュリティステークスに勝ったもの

第1回から朝日杯3歳ステークス(朝日杯フューチュリティステークス)の前哨戦として施行され、13頭が同年の朝日杯3歳ステークス(朝日杯フューチュリティステークス)を制覇している。
回数 馬名 性齢 京王杯2歳Sでの着順
第2回 モンタサン 牡2 4着
第5回 アローエクスプレス 牡2 1着
第7回 トクザクラ 牝2 1着
第9回 ミホランザン 牡2 6着
第15回 リンドタイヨー 牡2 2着
第17回 ホクトフラッグ 牡2 2着
第19回 ハーディービジョン 牡2 1着
第21回 ダイシンフブキ 牡2 1着
第32回 マイネルマックス 牡2 1着
第33回 グラスワンダー 牡2 1着
第39回 コスモサンビーム 牡2 1着
第40回 マイネルレコルト 牡2 5着
第46回 グランプリボス 牡2 1着

阪神ジュベナイルフィリーズに勝ったもの

回数 馬名 性齢 京王杯2歳Sでの着順
第29回 ヒシアマゾン 牝2 2着

最終更新:2015年02月09日 18:14