金鯱賞(G2)



主催者

日本中央競馬会

競馬場

中京競馬場

創設

1965年11月7日

距離

芝2000m

格付け

GII

賞金

1着賞金6000万円

出走条件

サラブレッド系3歳以上(国際)(特指)

負担重量

グレード別定

金鯱賞(きんこしょう)は、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場の芝2000メートルで施行する中央競馬の重賞競走(GII)である。競走名は名古屋城の天守閣の屋根に載る金鯱から。

歴史

1960年代に創設。1990年代にG2化され、宝塚記念の関西での前哨戦となった。
この時期には、長距離の天皇賞(春)を回避してきた有力中距離馬が出走する傾向があり、天皇賞(春)・安田記念と並び、宝塚記念への主要ステップ競走となっていた。金鯱賞出走馬からは1サイレンススズカ(1998年)、タップダンスシチー(2004年)、エイシンデピュティ(2008年)、アーネストリー(2011年)が宝塚記念で優勝している。
2012年に暮れの開催に時期が変わり、有馬記念の前哨戦としての位置づけになった。

変遷

1965年に4歳(現3歳)以上の別定重量の重賞競走、金鯱賞として創設、第1回は中京競馬場の砂1800m(現在のダートとはやや異なる)で11月に施行された。しかし、翌年からはハンデキャップに変更し、施行時期を7~8月に変更された。
1969年からは施行時期の変更に伴い、出走資格を5歳(現4歳)以上に変更、1971年からは7月に施行時期を移した事により、再び出走資格を4歳(現3歳)以上に変更、また中京競馬場の芝コース設置により芝1800mで施行されるようになった。
1974年からは東海テレビから優勝杯の提供を受けた事に伴い、名称を東海テレビ杯金鯱賞に変更、1984年からはグレード制施行によりGIIIに格付けされた。
1993年は中京競馬場の改修工事により京都競馬場の芝外回り1800mで施行した。
1996年の変更 宝塚記念の前哨戦へ[編集]
1996年に、初夏に行われていた高松宮杯(2000m・G2)が春の短距離G1に変更になった。金鯱賞は旧来の高松宮杯が担っていた位置に変更となり、初夏の芝2000m・G2戦となった。外国馬の出走や地方所属騎手の騎乗も解禁され、負担重量も別定戦になった。この結果、あらたな金鯱賞は、中京競馬場の芝の中距離の重賞競走では最高位の競走となり、宝塚記念の前哨戦になった。
1997年からは本競走が東海テレビの生中継を行わない土曜日の施行になった事に伴い、同社が優勝杯の提供から撤退、名称を金鯱賞に戻した。
2000年からは宝塚記念の施行が早まったことで金鯱賞の開催時期も前倒しになった。また、この年から外国調教馬が出走可能になった。
2012年の変更 有馬記念の前哨戦へ[編集]
2012年より阪神競馬と中京競馬の開催日割が変更された(順序入れ替え)のを機に、本競走は初冬に移設されることとなった。さらに特別指定競走に指定され、地方馬にも門戸が開かれる。
ステイヤーズステークスとともに、有馬記念を見据えた競走となる。

競走条件

出走資格は、サラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属の競走馬、地方競馬所属の競走馬(2頭まで)及び外国調教馬(9頭まで)。
負担重量は3歳が55kg(11月に施行される場合は54kg)、4歳以上が56kg、牝馬は2kg減を基本とし、
施行日当日から1年前の開催週以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増
施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
施行日当日から1年前の開催週より過去のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
以上の条件で斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

沿革

1965年 - 中京競馬場の砂1800mの4歳(現3歳)以上の別定重量の重賞競走、金鯱賞として創設。
1966年 - 負担重量をハンデキャップに変更。
1969年 - 出走資格を5歳(現4歳)以上に変更。
1970年 - 中京競馬場の芝コース設置工事により小倉競馬場の芝1800mで博多ステークスとして施行。
1971年 - 施行馬場を砂から芝に変更。出走資格を4歳(現3歳)以上に戻す。
1974年 - 東海テレビから優勝杯の提供を受け、名称を東海テレビ杯金鯱賞に変更。
1979年 - 京都競馬場の改修工事による振替開催により阪神競馬場の芝2000mで施行。
1984年 - グレード制導入によりGIIIに格付け。
1993年 - 中京競馬場の馬場改修工事により京都競馬場の芝外回り1800mで施行。
1996年 - 施行距離を現在の芝2000mに変更。負担重量を別定重量に戻す。GIIに格上げ。混合競走に指定。この年から地方所属の騎手が騎乗可能となる。
1997年 - 東海テレビが東海ステークスの優勝杯を提供することになったため、名称を金鯱賞に戻す。
2000年 - 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は5頭まで出走可能となる。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
2004年 - 日本中央競馬会創立50周年記念の副称が当年のみ付く。
2006年 - 牝馬限定重賞競走優勝馬の負担重量を軽減。
2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
2009年 - 関西主場においての最終レースの発走時刻を16時40分に設定したことに伴い、当競走の競走番号が第11競走から第10競走に変更。
2010年 - 中京競馬場の改修工事により京都競馬場の芝内回り2000mで施行。
2011年 - 中京競馬場の改修工事により京都競馬場の芝内回り2000mで施行。東日本大震災及び東京電力・福島第一原発での事故による番組変更に伴い、当初予定の第10競走から第11競走に変更して施行。
2012年 - 施行時期を12月に移す。特別指定競走に指定され、地方競馬所属馬には2頭まで出走可能となる。基本負担重量を3歳52kg、4歳以上57kg(牝馬は2kg減)から3歳55kg、4歳以上56kg(牝馬は2kg減)に変更。
2013年 - サイレンススズカメモリアルの副称が当年のみ付く[2]。

歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 斤量 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1965年11月7日 アオバ 牡3 54 1:54.3 沢峰次 森末之助 清水友太郎
第2回 1966年8月28日 パシカリーム 牝4 53 1:54.7 高橋隆 大久保亀治 山本愼一
第3回 1967年7月30日 クリバツク 牡3 54 1:53.4 田島良保 谷八郎 有馬静雄
第4回 1968年8月4日 ローエングリン 牡3 54 1:53.6 栗田勝 武田文吾 加藤吉朗
第5回 1969年3月9日 ハクセンショウ 牡5 62 1:52.5 増沢末夫 尾形藤吉 柏誠四郎
第6回 1970年1月25日 アリオーン 牡4 52 1:50.7 楠孝志 橋田俊三 加藤雅彦
第7回 1971年7月11日 スインホウシュウ 牡3 54 1:48.3 安藤正敏 上田三千夫 上田清次郎
第8回 1972年6月11日 シングン 牡4 50 1:49.3 飯田明弘 坂口正二 奈村信重
第9回 1973年7月8日 サカエカホー 牡4 55 1:47.9 湯浅三郎 加藤清一 陳葉枝
第10回 1974年7月7日 ホウシュウミサイル 牡3 53 1:52.9 武田悟 夏村辰男 上田清次郎
第11回 1975年7月13日 スズカハード 牡5 55 1:52.6 飯田明弘 小林稔 永井商事(株)
第12回 1976年7月11日 ヤマブキオー 牡6 60.5 1:49.9 徳吉一己 森末之助 清水一郎
第13回 1977年7月10日 マチカネライコー 牡4 51 1:49.0 柴田光陽 清田十一 東豊産業(株)
第14回 1978年7月9日 スリーファイヤー 牝4 53 1:48.1 岩元市三 布施正 永井商事(株)
第15回 1979年7月8日 ニチドウアラシ 牡3 52 2:00.8 村本善之 坂田正行 山田敏夫
第16回 1980年7月6日 マリージョーイ 牝4 49 1:48.1 岩元市三 田中良平 小田切有一
第17回 1981年7月5日 オーバーレインボー 牡4 57 1:51.9 崎山博樹 土門一美 鳥居茂三
第18回 1982年7月11日 テルノホープ 牡5 54 1:47.6 南井克巳 安藤正敏 中村照彦
第19回 1983年7月10日 ラブリースター 牝4 53 1:50.0 田原成貴 領家政蔵 山本信行
第20回 1984年7月8日 トーワカチドキ 牡5 53 1:52.8 田島信行 佐山優 斉藤一郎
第21回 1985年7月7日 キャノンゼット 牡5 52 1:50.4 内山正博 小林稔 角田哲男
第22回 1986年7月6日 イズミスター 牡4 52 1:51.8 土肥幸広 白井寿昭 今泉淳
第23回 1987年6月28日 ノックアウト 牡4 53 1:47.7 南井克巳 田中良平 小田切有一
第24回 1988年6月26日 パッシングパワー 牡5 55 1:47.4 高橋隆 大久保石松 山本菊一
第25回 1989年6月25日 マルブツファースト 牡7 54 1:48.0 村本善之 大久保正陽 大沢毅
第26回 1990年6月17日 マロングラッセ 牝6 55 1:47.3 角田晃一 庄野穂積 栗林英雄
第27回 1991年6月16日 ムービースター 牡5 54 1:46.6 武豊 坪憲章 吉田照哉
第28回 1992年6月21日 イクノディクタス 牝5 55 1:47.5 村本善之 福島信晴 勝野憲明
第29回 1993年6月20日 ウィッシュドリーム 牡4 54 1:46.7 武豊 坪憲章 (株)日本ダイナースクラブ
第30回 1994年6月19日 マーベラスクラウン 騸4 57 1:48.1 南井克巳 大澤眞 笹原貞生
第31回 1995年6月18日 サマニベッピン 牝5 53 1:48.3 土肥幸広 加藤敬二 (有)関澤産業 
第32回 1996年6月9日 フジヤマケンザン 牡8 59 2:01.4 村本善之 森秀行 藤本龍也
第33回 1997年5月24日 ゼネラリスト 牡4 57 2:02.3 松永幹夫 山本正司 マエコウファーム(有)
第34回 1998年5月30日 サイレンススズカ 牡4 58 1:57.8 武豊 橋田満 永井啓弍
第35回 1999年5月29日 ミッドナイトベット 牡5 58 1:59.7 河内洋 長浜博之 (有)社台レースホース
第36回 2000年5月27日 メイショウドトウ 牡4 57 1:58.5 安田康彦 安田伊佐夫 松本好雄
第37回 2001年5月26日 ミッキーダンス 牡5 57 1:59.9 佐藤哲三 服部利之 三木久史
第38回 2002年5月25日 ツルマルボーイ 牡4 57 1:58.3 横山典弘 橋口弘次郎 鶴田任男
第39回 2003年5月31日 タップダンスシチー 牡6 57 1:58.9 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ
第40回 2004年5月29日 タップダンスシチー 牡7 59 1:57.5 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ 
第41回 2005年5月28日 タップダンスシチー 牡8 59 1:58.9 佐藤哲三 佐々木晶三 (株)友駿ホースクラブ 
第42回 2006年5月27日 コンゴウリキシオー 牡4 57 1:58.8 岩田康誠 山内研二 金岡久夫
第43回 2007年5月26日 ローゼンクロイツ 牡5 57 1:57.2 藤岡佑介 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第44回 2008年5月31日 エイシンデピュティ 牡6 57 1:59.1 岩田康誠 野元昭 平井豊光
第45回 2009年5月30日 サクラメガワンダー 牡6 57 1:58.4 福永祐一 友道康夫 さくらコマース
第46回 2010年5月29日 アーネストリー 牡5 57 1:59.5 佐藤哲三 佐々木晶三 前田幸治
第47回 2011年5月28日 ルーラーシップ 牡4 58 2:02.4 福永祐一 角居勝彦 (有)サンデーレーシング
第48回 2012年12月1日 オーシャンブルー 牡4 56 2:00.4 クリストフ・ルメール 池江泰寿 青芝商事(株)
第49回 2013年11月30日 カレンミロティック 騸5 56 1:59.6 池添謙一 平田修 鈴木隆司
第50回 2014年12月6日 ラストインパクト 牡4 57 1:58.8 川田将雅 松田博資

最終更新:2015年02月09日 18:19