チャンピオンズカップ(ジャパンカップダート)(G1)




主催者

日本中央競馬会

競馬場

中京競馬場

創設

2000年11月25日

距離

ダート1800m

格付け

GI

賞金

1着賞金9400万円、賞金総額1億7940万円

出走条件

サラブレッド系3歳以上(国際)(指定)

負担重量

定量

チャンピオンズカップ(Champions Cup)は、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GI)である。創設から2013年までは「ジャパンカップダート」(Japan Cup Dirt)の名称で、主に東京競馬場(2007年まで)や阪神競馬場(2008年以降)で施行していた。


概要

日本では1970年代後半より「世界に通用する強い馬作り」が提唱され、1981年に芝2400mの国際招待競走「ジャパンカップ」が創設された。その後1995年より中央競馬と地方競馬の交流が飛躍的に拡大されるようになると、中央と地方の所属を超えたダートの重賞競走が注目されるようになったほか、ダートグレード競走で活躍した日本馬はアラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦やアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国のダート競走にも挑戦するようになった。このような状況の中、日本のダート競走においても『ジャパンカップと並ぶダートの国際競走を開催しよう』という気運が高まり、2000年に前身となる日本初のダート国際招待競走「ジャパンカップダート」が東京競馬場のダート2100mで創設された。
ジャパンカップダートは2007年までジャパンカップの前日(2004年は同日)に施行されていたが、2008年から施行時期を繰り下げ、施行場も阪神競馬場のダート1800mに変更された。
2014年からは施行場を中京競馬場のダート1800mに、名称も「チャンピオンズカップ」に変更。国際招待制も廃止され、馬や関係者の遠征にかかる諸費用をJRAが負担しない国際競走とされた。なお、回次は2014年が第15回とされ[2]、ジャパンカップダートから引き継いで通算される。
外国馬の出走枠は8頭まで。2008年からジャパン・オータムインターナショナルにも指定されている。また、指定外国競走の優勝馬や過去1年間の国内ダートGI・JpnI競走優勝馬が上位入着した場合に褒賞金を交付する制度もある(後述)。ただし外国馬の出走数は創設時より少なく、外国馬の出走が1頭もなかった年もあった。創設から2013年までに外国馬が優勝したのは2003年の1度きりで、これ以外はすべて日本馬が優勝している。

競走条件

※2014年現在
サラ系3歳以上(出走可能頭数:16頭[7])
JRA所属馬
地方競馬所属馬(JRA選定馬のみ)
外国調教馬(最大8頭まで、優先出走)
負担重量:定量(3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
出馬投票を行った馬のうち、優先出走権のある馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI競走における収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

優先出走権を得られる条件

出馬投票を行っている外国調教馬
レーティング上位の5頭
当該年に行われる以下の競走のいずれかで1着となった馬(中央・地方の所属は問わない)
みやこステークス GIII 日本の旗京都競馬場 ダート1800m
武蔵野ステークス GIII 日本の旗東京競馬場 ダート1600m

賞金・褒賞金制度

2014年の1着賞金は9400万円で、以下2着3800万円、3着2400万円、4着1400万円、5着940万円。
上記のほかに褒賞金として、日本中央競馬会が指定する外国競走(下表参照)の本年度優勝馬が本競走で1着となった場合は5000万円、2着の場合は2000万円、3着の場合は1300万円を交付する。
また、過去1年間に行われた国内ダートGI・JpnI競走の優勝馬が本競走で1着となった場合は5000万円、2着の場合は2000万円、3着の場合は1000万円を交付する。
これらの褒賞金はいずれも、クラス分けに用いる収得賞金には算入されない。

指定外国競走

開催国・競走名 格 競馬場 距離
サンタアニタハンデキャップ G1 サンタアニタパーク ダート10f
ドバイワールドカップ G1 メイダン AW2000m
ケンタッキーダービー G1 チャーチルダウンズ ダート10f
プリークネスステークス G1 ピムリコ ダート9.5f
メトロポリタンハンデキャップ G1 ベルモントパーク ダート8f
ベルモントステークス G1 ベルモントパーク ダート1.5マイル
スティーブンフォスターハンデキャップ G1 チャーチルダウンズ ダート9f
ゴールドカップアットサンタアニタステークス G1 サンタアニタパーク ダート10f
ホイットニーハンデキャップ G1 サラトガ ダート9f
トラヴァーズステークス G1 サラトガ ダート1.25マイル
パシフィッククラシックステークス G1 デルマー AW10f
ウッドワードステークス G1 サラトガ ダート9f
ジョッキークラブゴールドカップ G1 ベルモントパーク ダート10f
ブリーダーズカップ・クラシック G1 サンタアニタパーク ダート10f

コース

中京競馬場のダートコース、1800mを使用。
正面直線の中央やや第3コーナー寄りの位置から発走し、左回りに1周する。勾配のきつい急坂の途中からスタートするため、スタート直後からいきなり上り勾配となっている。ゴール地点の手前から緩く下り、第2コーナーの途中から向正面の中ほどまで上り勾配が続く。そこから第4コーナーを過ぎるまで高低差3.4mを一気に下り、直線に向くと再び急坂となる。急坂を上りきり、200m程度走行したところがゴールとなる。
ジャパンカップダート創設時のコース(東京競馬場2100m)は世界のダート競走の主流である2000mからみると半端な距離(当時はJRAの競馬場にダート2000mのコースは存在しなかったため)で、スタートから第1コーナーまでが短く競走馬の能力以外の有利不利があった。またダートが主流のアメリカでは赤土のようなスピードの出やすいダートが主流だが、日本のダートはスピードが出にくい。2007年に来日したスチューデントカウンシルは時計のかかる馬場向きと見てブリーダーズカップ・クラシックを回避して、このレースに出走した経緯がある。
ただし日本馬のレベルが向上したことに加えアメリカ勢の惨敗が続いているため、アメリカの競馬関係者の中にはジャパンカップダートに出走すること自体が無謀という考えも多くあった[12]。また、根本的な問題として、アメリカの競馬場は全て左回りであることから、右回りの阪神競馬場での開催に疑問の声もあった。

歴史

2000年 - 4歳以上の馬による国際招待競走「ジャパンカップダート」を創設、東京競馬場のダート2100mで施行[。
2001年 - 馬齢表記を国際基準へ変更したことに伴い、出走条件を「3歳以上」に変更。外国調教馬の招待枠が8頭に拡大。
2008年 - 施行場・距離を阪神競馬場(ダート1800m)に変更。ジャパン・オータムインターナショナルに指定。
2014年 - 名称を「チャンピオンズカップ」に変更。施行場を中京競馬場に変更。国際競走へ変更。「JRA60周年記念」の副称をつけて施行。

歴代優勝馬

回数 施行日 競馬場 距離 調教国・優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2000年11月25日 東京 2100m ウイングアロー 牡5 2:07.2 岡部幸雄 南井克巳 池田實
第2回 2001年11月24日 東京 2100m クロフネ 牡3 2:05.9 武豊 松田国英 金子真人
第3回 2002年11月23日 中山 1800m イーグルカフェ 牡5 1:52.2 L.デットーリ 小島太 西川清
第4回 2003年11月29日 東京 2100m フリートストリートダンサー 騸5 2:09.2 J.コート D.オニール T.レザーマン
第5回 2004年11月28日 東京 2100m タイムパラドックス 牡6 2:08.7 武豊 松田博資 (有)社台レースホース
第6回 2005年11月26日 東京 2100m カネヒキリ 牡3 2:08.0 武豊 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第7回 2006年11月25日 東京 2100m アロンダイト 牡3 2:08.5 後藤浩輝 石坂正 (有)キャロットファーム
第8回 2007年11月24日 東京 2100m ヴァーミリアン 牡5 2:06.7 武豊 石坂正 (有)サンデーレーシング
第9回 2008年12月7日 阪神 1800m カネヒキリ 牡6 1:49.2 C.ルメール 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第10回 2009年12月6日 阪神 1800m エスポワールシチー 牡4 1:49.9 佐藤哲三 安達昭夫 (株)友駿ホースクラブ
第11回 2010年12月5日 阪神 1800m トランセンド 牡4 1:48.9 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第12回 2011年12月4日 阪神 1800m トランセンド 牡5 1:50.6 藤田伸二 安田隆行 前田幸治
第13回 2012年12月2日 阪神 1800m ニホンピロアワーズ 牡5 1:48.8 酒井学 大橋勇樹 小林百太郎
第14回 2013年12月1日 阪神 1800m ベルシャザール 牡5 1:50.4 C.ルメール 松田国英 (有)社台レースホース
第15回 2014年12月7日 中京 1800m 日本の旗ホッコータルマエ 牡5 1:51.0 幸英明 西浦勝一 矢部道晃

記録

レースレコード - 1:51.0(第15回優勝馬 ホッコータルマエ)
参考記録 - 1:48.8(第13回優勝馬 ニホンピロアワーズ)※阪神 ダート1800m


最終更新:2015年02月09日 18:19