ヴィクトリアマイル(G1)


主催者

日本中央競馬会

競馬場

東京競馬場

創設

2006年5月14日

距離

芝芝1600m

格付け

GI

賞金

1着賞金9000万円

出走条件

サラブレッド系4歳以上牝馬(国際)(指定)

負担重量

定量(55kg)

ヴィクトリアマイル(Victoria Mile)は日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場の芝1600mで施行する中央競馬の重賞(GI)競走である。競走名のヴィクトリア(Victoria)とはローマ神話に登場する勝利の女神のことである。


概要

2006年の中央競馬の番組改定における古馬の牝馬の重賞競走の整備の一環として4歳(旧5歳)以上牝馬限定の国際・指定の定量の重賞(GI)競走「ヴィクトリアマイル」として新設、第1回は東京競馬場の芝1600mで施行された。
中央競馬ではヴィクトリアマイルが新設されるまで牝馬限定のGI競走は2歳限定の阪神ジュベナイルフィリーズと3歳(旧4歳)牝馬三冠競走(桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞)と3歳(旧4歳)以上のエリザベス女王杯があり古馬の牝馬に限れば11月のエリザベス女王杯しかなく、有力な古馬の牝馬は牝馬限定のGIIおよびGIIIの重賞競走で重い斤量を背負って出走するか牡馬との混合戦に出走するしかなく、止むを得ず牡馬との混合戦であるGI競走を目標にせざるを得なかった。
本競走が新設されたことにより古馬の牝馬の春の目標となる競走ができ、さらにはエリザベス女王杯と対となる「春の古馬女王決定戦」として位置付けられ、また本競走から中2週で同じ東京競馬場の芝1600mの重賞(GI)競走である安田記念へ向かうローテーションも可能となった。
その一方、本競走の創設に関してJRA内では「内国産の競走馬のレベルの向上のため、強豪の牝馬は早く引退して繁殖牝馬に上がるべき。レースに出ては故障してしまう」と言う保守派の反論意見が多くあった。
そのような背景もあり開設当初はGIの中でもやや格を低く見られがちであったがダンスインザムード、ウオッカ、ブエナビスタ等の牡馬とも互角以上に渡り合った牝馬の出走により春のGI戦線の中でもレベル、注目度ともにかなり高いレースとなっている。
2007年と2008年の2年間は国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告による重賞格付け表記の変更に伴いJpnIとして施行され2009年からはICSCの規定を満たしたことで国際格付けを取得し、GI競走として施行されている。従って2006年のGI表記と2009年以降のGI表記の意味合いは違う。
開催日がNHKマイルカップと優駿牝馬(オークス)の間に入ったことで初回年の2006年から東京競馬場では5週連続でGIが施行されており、京都競馬場での天皇賞(春)も含めると6週連続でGIが施行されている。なお、2011年は東日本大震災による開催変更等で23年ぶりの東京開催となった皐月賞から7週連続でのGI競走施行という日程になった。
現在の優勝レイの配色は青色地に金色文字となっている。

出走資格

原則サラ系4歳(旧5歳)以上のJRA所属の競走馬、地方所属の競走馬及び外国調教馬(9頭まで)、出走枠は18頭まで。
登録馬のうち、レーティング順位の上位5頭に対しては優先出走が認められる(2012年より。106ポンド以上であることが条件)。
この方式の結果、条件馬のレインボーダリアがエリザベス女王杯5着が評価され、優先出走権を獲得したケースがある。
その他の競走馬は「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。
地方競馬所属馬は以下の競走のいずれかで所定の成績をあげると本競走に優先出走できる。
競走名 格付 施行競馬場 施行距離 必要な着順 備考
高松宮記念 GI 日本の旗中京競馬場 芝1200m 1・2着
阪神牝馬ステークス GII 日本の旗阪神競馬場 芝1400m 本競走のステップ競走指定
中央所属馬についても1着入着で優先出走権を付与(2014年から)
福島牝馬ステークス GIII 日本の旗福島競馬場 芝1800m

負担重量

定量で55kgである。

賞金

2014年の1着賞金は9200万円で、以下2着3700万円、3着2300万円、4着1400万円、5着920万円。

歴史

2006年 - 東京競馬場の芝1600mの4歳(旧5歳)以上牝馬限定の国際・指定交流競走の定量の重賞(GI)競走「ヴィクトリアマイル」として創設(創設当初の外国調教馬の出走枠は5頭まで)。
2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告により、重賞格付け表記をJpnIに変更。
2009年
外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
重賞格付け表記をGIに戻す。
2010年 - ウオッカの引退を記念して入場券を発売[4]。ヴィクトリアマイルで記念入場券が発売されることはきわめて異例のこと。
2012年 - 出走馬選定方法が変わり、レーティングで上位5頭に優先出走を認める。横山典弘が騎手として初の2度目の優勝。
2014年 - ヴィルシーナが史上初の連覇かつ2度目の優勝。内田博幸も騎手として初の連覇。

歴代優勝馬

回数 施行日 競馬場 距離 調教国・優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2006年5月14日 東京 1600m 日本の旗ダンスインザムード 牝5 1:34.0 北村宏司 藤沢和雄 (有)社台レースホース
第2回 2007年5月13日 東京 1600m 日本の旗コイウタ 牝4 1:32.5 松岡正海 奥平雅士 (有)前川企画
第3回 2008年5月18日 東京 1600m 日本の旗エイジアンウインズ 牝4 1:33.7 藤田伸二 藤原英昭 太田美實
第4回 2009年5月17日 東京 1600m 日本の旗ウオッカ 牝5 1:32.4 武豊 角居勝彦 谷水雄三
第5回 2010年5月16日 東京 1600m 日本の旗ブエナビスタ 牝4 1:32.4 横山典弘 松田博資 (有)サンデーレーシング
第6回 2011年5月15日 東京 1600m 日本の旗アパパネ 牝4 1:31.9 蛯名正義 国枝栄 金子真人ホールディングス
第7回 2012年5月13日 東京 1600m 日本の旗ホエールキャプチャ 牝4 1:32.4 横山典弘 田中清隆 嶋田賢
第8回 2013年5月12日 東京 1600m 日本の旗ヴィルシーナ 牝4 1:32.4 内田博幸 友道康夫 佐々木主浩
第9回 2014年5月18日 東京 1600m 日本の旗ヴィルシーナ 牝5 1:32.3 内田博幸 友道康夫 佐々木主浩

レース記録


レースレコードタイム:1分31秒9(2011年/アパパネ)
2着との最大着差:7馬身(2009年/ウオッカ)
最多勝騎手:2勝(横山典弘/2010年、2012年 内田博幸/2013年、2014年)

最終更新:2015年02月09日 17:58