優駿牝馬(G1)


主催者

日本中央競馬会

競馬場

東京競馬場

創設

1938年11月23日

距離

芝2400m

格付け

GI

賞金

1着賞金9700万円

出走条件

サラブレッド系3歳牝馬(国際)(指定)

負担重量

定量(55kg)

優駿牝馬(ゆうしゅんひんば)は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場の芝2400メートルで施行する中央競馬の重賞競走(GI)である。


概要

1938年にイギリスのオークスを範として、4歳(現3歳)牝馬限定の「阪神優駿牝馬」を阪神競馬場(旧鳴尾競馬場)に創設。これにより、横浜農林省賞典四歳呼馬(現:皐月賞)・東京優駿(日本ダービー)・京都農林省賞典四歳呼馬(現:菊花賞)・中山四歳牝馬特別(現:桜花賞)とともに日本のクラシック競走が確立された。桜花賞は最もスピードのある繁殖牝馬の検定競走とされたのに対し、本競走はスピードとスタミナを兼ね備えた繁殖牝馬を選定するためのレースとされている。
距離は創設当初芝2700メートルだったが、1940年から1942年まで芝2450mで施行した後、1943年から芝2400mに変更。施行場も1946年から東京競馬場に変更され、この際に名称を「優駿牝馬」に改称。1965年から(オークス)の副称が付けられ、現在に至る。施行時期は1952年まで秋季だったが、1953年から春季に変更された。
1984年よりグレード制が施行され、GIに格付け。1995年からは指定競走となり地方所属の競走馬も出走可能になったほか、2003年から外国産馬も出走可能になった。

出走資格

サラ系3歳(旧4歳)牝馬
JRA所属馬(外国産馬含む)
地方競馬所属馬(後述)
外国調教馬(外国産馬と合わせて9頭まで)
出走制限頭数は最大18頭。未出走馬・未勝利馬は原則として出走できない。
以下のトライアル競走に必要な着順に入った場合優先出走できる(最大8頭)。
優先出走権トライアル競走
競走名 格付 施行競馬場 施行距離 優先出走権を
得られる条件
桜花賞 GI 日本の旗阪神競馬場 芝・外1600m 4着以内
フローラステークス GII 日本の旗東京競馬場 芝2000m 3着以内
スイートピーステークス オープン 東京競馬場 芝1800m 2着以内
なお優駿牝馬は未出走馬および未勝利馬(収得賞金が0の馬)に出走権がないものの、未出走馬および未勝利馬でもフローラステークス・スイートピーステークスには出走できる。この場合、優駿牝馬に出走するためには収得賞金獲得圏内(フローラステークスは2着以内、スイートピーステークスは1着)に入る必要がある。
残りの枠(最低10頭)は通常の収得賞金の総計が多い順に出走できる(残る1枠が複数の同収得金額馬だった場合は抽選で出走馬が決まる)。
地方競馬所属馬は、上記のトライアル競走3競走で優先出走権を得た馬、およびNHKマイルカップ2着以内馬、JRAの芝の3歳重賞優勝馬が出走できる。

負担重量

定量(55kg)
第3回 - 第6回は57kgだった。

賞金

2014年の1着賞金は9700万円で、以下2着3900万円、3着2400万円、4着1500万円、5着970万円。

歴史

1938年 - 4歳(現3歳)牝馬限定の競走「阪神優駿牝馬」を創設。
1940年 - 施行距離を芝2450mに変更。
1943年 - 施行距離を芝2400mに変更。
1944年 - 太平洋戦争の影響で中止。
1946年 - 施行場を東京競馬場に変更、名称も「優駿牝馬」に変更。
1965年 - これ以降「オークス」の副称が付く。
1984年 - グレード制導入、GIに格付け。
1995年 - 指定交流競走となり、地方所属馬も出走が可能に。ライデンリーダーが笠松から第一号の参加馬となる。
1996年 - エアグルーヴが勝利し、母ダイナカールと共に母子2代の制覇となった。この年のクラシックで唯一1番人気で勝利したのはエアグルーヴだけである。
2001年 - 馬齢表示を国際基準へ変更したことに伴い、出走条件を「4歳牝馬」から「3歳牝馬」に変更。
2003年 - 外国産馬が最大2頭まで出走可能となる。
2007年 - 格付け表記をJpnIに変更。
2010年
国際競走に指定され、外国調教馬・外国産馬が合わせて最大9頭まで出走可能となる。
格付け表記をGIに戻す。

過去20年歴代優勝馬

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第56回 1995年5月21日 東京 芝2400m ダンスパートナー 牝3 2:26.7 武豊 白井寿昭 吉田勝己
第57回 1996年5月26日 東京 芝2400m エアグルーヴ 牝3 2:29.1 武豊 伊藤雄二 吉原毎文
第58回 1997年5月25日 東京 芝2400m メジロドーベル 牝3 2:27.7 吉田豊 大久保洋吉 メジロ商事(株)
第59回 1998年5月31日 東京 芝2400m エリモエクセル 牝3 2:28.1 的場均 加藤敬二 山本慎一
第60回 1999年5月30日 東京 芝2400m ウメノファイバー 牝3 2:26.9 蛯名正義 相沢郁 梅崎敏則
第61回 2000年5月21日 東京 芝2400m シルクプリマドンナ 牝3 2:30.2 藤田伸二 山内研二 (有)シルク
第62回 2001年5月20日 東京 芝2400m レディパステル 牝3 2:26.3 K.デザーモ 田中清隆 (株)ロードホースクラブ
第63回 2002年5月19日 東京 芝2400m スマイルトゥモロー 牝3 2:27.7 吉田豊 勢司和浩 飯田正剛
第64回 2003年5月25日 東京 芝2400m スティルインラブ 牝3 2:27.5 幸英明 松元省一 (有)ノースヒルズマネジメント
第65回 2004年5月23日 東京 芝2400m ダイワエルシエーロ 牝3 2:27.2 福永祐一 松田国英 大和商事(株)
第66回 2005年5月22日 東京 芝2400m シーザリオ 牝3 2:28.8 福永祐一 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第67回 2006年5月21日 東京 芝2400m カワカミプリンセス 牝3 2:26.2 本田優 西浦勝一 三石川上牧場
第68回 2007年5月20日 東京 芝2400m ローブデコルテ 牝3 2:25.3 福永祐一 松元茂樹 前田幸治
第69回 2008年5月25日 東京 芝2400m トールポピー 牝3 2:28.8 池添謙一 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第70回 2009年5月24日 東京 芝2400m ブエナビスタ 牝3 2:26.1 安藤勝己 松田博資 (有)サンデーレーシング
第71回 2010年5月23日 東京 芝2400m 日本の旗アパパネ 牝3 2:29.9
(同着) 蛯名正義 国枝栄 (株)金子真人ホールディングス
日本の旗サンテミリオン 横山典弘 古賀慎明 吉田照哉
第72回 2011年5月22日 東京 芝2400m エリンコート 牝3 2:25.7 後藤浩輝 笹田和秀 吉田照哉
第73回 2012年5月20日 東京 芝2400m ジェンティルドンナ 牝3 2:23.6 川田将雅 石坂正 (有)サンデーレーシング
第74回 2013年5月19日 東京 芝2400m メイショウショウマンボ 牝3 2:25.2 武幸四郎 飯田明弘 松本好雄
第75回 2014年5月25日 東京 芝2400m ヌーヴォレコルト 牝3 2:25.8 岩田康誠 斎藤誠 原礼子

優駿牝馬の記録

レースレコード - 2:23.6(第73回)
最多勝騎手 - 5勝
嶋田功(第33回 - 第35回・第37回・第42回)
最多勝調教師 - 5勝
尾形藤吉(第1回・第5回・第6回・第15回・第30回)
稲葉幸夫(第4回・第33回・第34回・第37回・第42回)

最終更新:2015年02月09日 17:58