ニュージーランドトロフィー(G2)


主催者

日本中央競馬会

競馬場

中山競馬場

創設

1983年5月28日

距離

芝1600m

格付け

GII

賞金

1着賞金5200万円、賞金総額1億836万円

出走条件

サラブレッド系3歳牡馬・牝馬(国際)(指定)

負担重量

馬齢(牡馬56kg、牝馬54kg)

ニュージーランドトロフィーは、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場の芝外回り1600mで施行する中央競馬の重賞(GII)競走である。


概要

前身は1968年にニュージーランドのタウランガ競馬場を主催するベイオブプレンティ・レーシングクラブとの交換競走として創設された、「グリーンステークス」という4歳の条件特別競走であった[3]。その後同競走は「エーデルワイスステークス」、「ローズステークス」、「東京4歳ステークス」と毎年競走名が変更になった。その後は一度「ローズステークス」に戻り、1977年(昭和52年)に「ニュージーランドトロフィー」(4歳以上オープン)となった。
現在の同競走の実質的な創設は1983年で、東京競馬場の芝1600mの4歳(現3歳)牡馬・牝馬限定の混合・馬齢条件の重賞競走、ニュージーランドトロフィー4歳ステークスとして新設されたものである。1984年にはグレード制施行によりGIIIに格付けされ、さらに1987年にはGIIに格上げされた。東京優駿(日本ダービー)や優駿牝馬(オークス)の施行距離である芝2400mが不適格な短距離を得意とする4歳(現3歳)の競走馬や、当時クラシック競走の出走ができなかった外国産馬、クラシック登録を行わなかった競走馬の最大の目標となる競走として定着していく。
1996年からは4歳(現3歳)の短距離最強馬決定戦として新設されたNHKマイルカップの誕生に伴って、上位3着までに入賞した競走馬にはNHKマイルカップの優先出走権が与えられるトライアル競走という位置づけになった。これに伴って、開催時期を4月に移動すると共に施行距離を芝1400mに変更、また指定交流競走として地方所属の競走馬も出走可能になった。2009年からは国際競走に指定されている。
2000年からはNHKマイルカップの開催が1週間早まり、あわせて本競走も開催時期が2週間早くなったことにより中山競馬場に移設され、施行距離も芝1600mに戻し、2001年からは競走馬の年齢表示の国際基準への変更に伴い、現在のニュージーランドトロフィーに名称を変更した。
NHKマイルカップが新設されるまでは4歳(現3歳)の短距離馬の春の最重要競走として施行されていたが、現在はNHKマイルカップのトライアル競走として位置付けされており、NHKマイルカップを占う重要な競走として施行されている。トライアルに制定後、7頭がNHKマイルカップを制覇している。しかし中山に移設後の第18回以降、当レースの勝ち馬がNHKマイルカップを制した例は少なく、2012年のカレンブラックヒルのみである。
現在の優勝レイは、青色地に銀色文字の配色となっている。
出走資格は、サラ系3歳(旧4歳)のJRA及び地方所属の牡馬と牝馬の競走馬及び外国競走馬(8頭まで)。上位3着までに入賞した競走馬にはNHKマイルカップの優先出走権が与えられる。
負担重量は馬齢で、牡馬は56kg、牝馬は54kgである。

歴史

1983年 - 東京競馬場の芝1600mの4歳(現3歳)牡馬・牝馬限定の混合の馬齢の重賞競走、ニュージーランドトロフィー4歳ステークスとして新設。
1984年 - グレード制施行によりGIIIに格付け。
1987年 - GIIに格上げ。
1988年 - 元地方笠松所属のオグリキャップがJRA転厩馬として史上初の優勝。
1996年 - 開催時期を4月に変更。施行距離を芝1400mに変更。指定交流競走に指定され、地方馬は3頭まで出走可能となる。NHKマイルカップトライアルに指定。
2000年 - 施行場を中山競馬場の芝外回り1600mに変更。この年より阪神競馬場で施行される桜花賞の前日開催となる。地方馬の出走枠が3頭から2頭に縮小。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳牡馬・牝馬」から「3歳牡馬・牝馬」に変更。名称をニュージーランドトロフィーに変更。
2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告により、重賞格付け表記をJpnIIに変更。
馬単の馬券が全重賞競走において当時の最高配当(28万4510円)を記録した(現在は2008年の桜花賞の33万4440円が全重賞競走においての最高配当となっている)。
2009年 - 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる。それに伴い、重賞格付け表記をGIIに戻す。
2011年 - 4月9日に中山競馬場で施行予定が、東日本大震災の影響により中山競馬場の開催が中止となったため、同日の阪神競馬場の芝外回り1600mで施行。阪神牝馬ステークスと同日・同競馬場での開催となり、当競走は最終競走(第12競走)に組み込まれた。

歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1983年5月28日 アップセッター 牡3 1:37.0 岡部幸雄 田中和夫 ホースマン
第2回 1984年5月26日 ニッポースワロー 牡3 1:37.8 蛯名信広 久保田金造 山石祐一
第3回 1985年5月25日 マルヨプラード 牡3 1:38.6 作田誠二 武宏平 野村春行
第4回 1986年5月24日 ニッポーテイオー 牡3 1:36.8 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第5回 1987年6月7日 ユーワジェームス 牡3 1:35.2 安田富男 新関力 (株)ユーワ
第6回 1988年6月5日 オグリキャップ 牡3 1:34.0 河内洋 瀬戸口勉 佐橋五十雄
第7回 1989年6月4日 アクアビット 牡3 1:35.1 柴田政人 嶋田功 那須野牧場
第8回 1990年6月3日 ミュージックタイム 牡3 1:34.9 岡部幸雄 松山康久 吉田善哉
第9回 1991年6月2日 ヴァイスシーダー 牡3 1:35.3 柴田善臣 増本豊 杉浦秀雄
第10回 1992年6月7日 シンコウラブリイ 牝3 1:34.9 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第11回 1993年6月6日 トーヨーリファール 牡3 1:34.6 松永昌博 松永善晴 (有)トーヨークラブ
第12回 1994年6月5日 ヒシアマゾン 牝3 1:35.8 中舘英二 中野隆良 阿部雅一郎
第13回 1995年6月4日 シェイクハンド 牝3 1:35.3 芹沢純一 沖芳夫 マエコウファーム(有)
第14回 1996年4月20日 ファビラスラフイン 牝3 1:22.4 藤田伸二 長浜博之 吉田和子
第15回 1997年4月20日 シーキングザパール 牝3 1:21.1 武豊 森秀行 植中倫子
第16回 1998年4月26日 エルコンドルパサー 牡3 1:22.2 的場均 二ノ宮敬宇 渡邊隆
第17回 1999年4月25日 ザカリヤ 牡3 1:23.4 的場均 二ノ宮敬宇 伊達秀和
第18回 2000年4月8日 エイシンプレストン 牡3 1:34.4 福永祐一 北橋修二 平井豊光
第19回 2001年4月7日 キタサンチャンネル 牡3 1:35.7 高橋亮 橋口弘次郎 (有)大野商事
第20回 2002年4月6日 タイキリオン 牡3 1:32.1 柴田善臣 田中清隆 (有)大樹ファーム
第21回 2003年4月12日 エイシンツルギザン 牡3 1:34.6 横山典弘 藤原英昭 平井豊光
第22回 2004年4月10日 シーキングザダイヤ 牡3 1:33.5 武豊 森秀行 青山洋一
第23回 2005年4月9日 マイネルハーティー 牡3 1:33.4 内田博幸 中村均 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第24回 2006年4月8日 マイネルスケルツィ 牡3 1:33.5 柴田善臣 稲葉隆一 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第25回 2007年4月7日 トーホウレーサー 牡3 1:33.9 後藤浩輝 川村禎彦 東豊物産(株)
第26回 2008年4月12日 サトノプログレス 牡3 1:35.0 横山典弘 国枝栄 里見治
第27回 2009年4月11日 サンカルロ 牡3 1:33.8 吉田豊 大久保洋吉 (有)社台レースホース
第28回 2010年4月10日 サンライズプリンス 牡3 1:32.9 横山典弘 音無秀孝 松岡隆雄
第29回 2011年4月9日 エイシンオスマン 牡3 1:34.5 幸英明 松永昌博 平井豊光
第30回 2012年4月7日 カレンブラックヒル 牡3 1:33.2 秋山真一郎 平田修 鈴木隆司
第31回 2013年4月6日 エーシントップ 牡3 1:34.8 内田博幸 西園正都 (株)栄進堂
第32回 2014年4月12日 ショウナンアチーヴ 牡3 1:33.3 後藤浩輝 国枝栄 国本哲秀

最終更新:2015年02月09日 17:52