京王杯スプリングカップ(G2)


主催者

日本中央競馬会

競馬場

東京競馬場

創設

1956年3月11日

距離

芝1400m

格付け

GII

賞金

1着賞金5700万円、賞金総額1億1856万円

出走条件

サラブレッド系4歳以上(国際)(指定)

負担重量

グレード別定

京王杯スプリングカップ(けいおうはいスプリングカップ)は、日本中央競馬会 (JRA) が東京競馬場の芝1400メートルで施行する中央競馬の重賞(GII)競走である。正賞は京王電鉄株式会社賞。京王杯2歳ステークスと同様、優勝杯を提供する京王電鉄から冠名が取られている。

概要

1956年に5歳(現4歳)以上の混合のハンデキャップの重賞競走、スプリングハンデキャップとして新設、第1回は東京競馬場の芝1600mで施行された。
1960年からは京王帝都電鉄(当時、現京王電鉄)から優勝杯の提供を受けたのを機に、名称を京王杯スプリングハンデキャップに変更、1963年からは施行距離を芝1800mに変更した。
1981年からは施行距離を芝1400mに変更に伴い、安田記念の前哨戦として位置付けされるようになり、1984年からはグレード制施行によりGIIに格付け、混合競走に指定され、外国産馬の出走が可能になり、更に負担重量を別定に変更した事に伴い、名称を現在の京王杯スプリングカップに変更、またスプリンターズステークスと安田記念と共に中央競馬の短距離三冠競走を構成したが、1990年にスプリンターズステークスの施行時期が3月から12月に変更になった事により短距離三冠は廃止となっている。
1994年からは安田記念に出走する外国調教馬の調整レースに位置付けた事により、国際競走に指定、外国調教馬も出走可能になり、更に1995年からは指定競走に指定、地方所属の競走馬も出走可能になった。
2000年からは高松宮記念が5月から3月に変更となり短距離馬の高松宮記念 - 本競走 - 安田記念というステップが確立された。そのためか同年のレースではGI馬が6頭出走、スティンガー以外の5頭は1年以内にGIを勝利していた。ちなみに翌年もGI馬が6頭出走するなどメンバーが豪華になっていた。
2001年からは国際セリ名簿基準作成委員会に国際グレードのGIIに格付けされた。
ダービー卿チャレンジトロフィーやマイラーズカップと並び、安田記念の前哨戦に位置付けされ、安田記念と同じ東京競馬場で施行されている事から安田記念の最も重要な前哨戦として位置付けされている。安田記念の前哨戦に位置付けされる以前にも、第2回競走で5着に敗れたヘキラクや第6回競走で3着に敗れたホマレボシなど6頭が安田記念で優勝、前哨戦に位置付けされた1981年以降第28回競走で3着に敗れたキヨヒダカや第29回優勝馬ハッピープログレスを始め多くの優勝馬を輩出している。しかし、2000年代に入ってからは、香港から遠征した馬の台頭や大阪杯など中距離路線から駒を進めてきた馬などが活躍することが多く、本競走からの安田記念優勝馬は第46回3着のブラックホークと第50回優勝のアサクサデンエン、第57回4着のストロングリターンのみとなっている。また、1999年のグラスワンダー以降、1番人気馬が勝っていないという状況が続いていたが、2013年にダイワマッジョーレが1番人気に応えて勝利し、連敗を13で止めた。
現在の優勝レイの配色は、赤色地に銀色文字となっている。
出走資格は、サラ系4歳(旧5歳)以上のJRA所属の競走馬、地方所属の競走馬(2頭まで)及び外国調教馬(9頭まで)。
負担重量は56kg、牝馬は2kg減を基本とし、
施行日当日から1年前の開催週以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増
施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
施行日当日から1年前の開催週より過去のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
以上の条件で斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

歴史

1956年 - 東京競馬場の芝1600mの5歳(現4歳)以上のハンデキャップの重賞競走、スプリングハンデキャップとして創設。
1958年 - 保田隆芳が騎手として史上初の連覇。
1959年 - 尾形藤吉が調教師として史上初の連覇。
1960年 - 京王帝都電鉄(当時)から優勝杯を提供された機に京王杯スプリングハンデキャップに変更。
1963年 - 施行距離を芝1800mに変更。
1968年 - 東京競馬場の改修工事及び降雪の影響により中山競馬場のダート1800mで施行。
1971年 - 降雪の影響によりダート1700mで施行。
1972年 - ストライキの影響により5月に順延開催。
1974年 - ストライキの影響により5月に順延開催。
1975年 - 出走馬4頭立てで施行。
1981年 - 施行距離を芝1400mに変更、安田記念の前哨戦としての位置付けとなる。
1984年 - グレード制施行によりGIIに格付け。混合競走に指定。負担重量を別定に変更。名称を京王杯スプリングカップに変更。短距離三冠競走の第2戦に指定。
1990年 - 短距離三冠競走廃止により三冠競走から除外。
1994年 - 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は5頭まで出走可能となる。フランスのスキーパラダイスが外国調教馬として初制覇。
1995年 - 指定交流競走に指定され、地方馬は3頭まで出走可能となる。
1996年 - 地方馬の出走枠が3頭から2頭に縮小。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「5歳以上」から「4歳以上」に変更。国際セリ名簿基準作成委員会に国際GIIに指定。
2002年 - 外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
2006年 - 牝馬限定重賞競走優勝馬の負担重量を軽減。
2012年 - 基本負担重量を57kg(牝馬は2kg減)から56kg(牝馬は2kg減)に変更。
2014年 - この年から当競走の1着馬に安田記念への優先出走権が付与される。

歴代優勝馬

回数 施行日 調教国・優勝馬 性齢 斤量 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1956年3月11日 クリチカラ 牡6 58 1:38 2/5 森安弘明 尾形藤吉 栗林友二
第2回 1957年3月10日 ヒデホマレ 牡5 60 1:39 4/5 保田隆芳 田中康三 小川満枝
第3回 1958年3月2日 ブレツシング 牝6 54 1:37 2/5 保田隆芳 尾形藤吉 小野晃
第4回 1959年3月1日 クリペロ 牡4 56 1:39 2/5 森安弘明 尾形藤吉 栗林友二
第5回 1960年2月21日 スイートワン 牡4 54 1:39.3 野平祐二 野平省三 和田共弘
第6回 1961年2月26日 シヨウザン 牡4 56 1:39.9 高橋英夫 鈴木清 渡部恵子
第7回 1962年2月18日 トリシン 牡4 50 1:36.8 丸目敏栄 荒木静雄 斎藤延次郎
第8回 1963年2月24日 スズホープ 牡4 54 1:49.5 野平好男 森末之助 鈴江チヨ
第9回 1964年3月22日 クリライト 牡4 54.5 1:51.9 郷原洋行 大久保房松 栗林友二
第10回 1965年2月21日 アサホコ 牡5 59 1:50.2 加賀武見 藤本冨良 手塚栄一
第11回 1966年2月20日 グレートヨルカ 牡6 56 1:49.1 保田隆芳 尾形藤吉 小野晃
第12回 1967年2月26日 ヒシマサヒデ 牡5 62 1:52.1 小野定夫 稗田敏男 阿部雅信
第13回 1968年2月25日 メジロシンゲン 牡4 49 1:54.0 町田精生 大久保末吉 北野雄二
第14回 1969年2月16日 モンタサン 牡5 58 1:52.4 油木宣夫 矢野幸夫 古知政市
第15回 1970年2月22日 ミノル 牡4 56 1:48.8 保田隆芳 尾形藤吉 永田賢介
第16回 1971年2月14日 タマミ 牝4 52 1:44.4 増沢末夫 坂本栄三郎 影山明
第17回 1972年5月3日 ダイセンプー 牡4 49 1:50.1 津田昭 野平富久 (有)イーデン産業
第18回 1973年4月22日 インターブレイン 牡4 54 1:49.5 野平祐二 野平省三 松岡正雄
第19回 1974年5月4日 タケクマヒカル 牡5 54 1:48.7 矢野照正 中村広 武隈水雄
第20回 1975年4月20日 キクノオー 牡4 54 1:48.6 横山富雄 山岡寿恵次 田中伊三郎
第21回 1976年4月25日 ヤマブキオー 牡6 58 1:48.9 徳吉一己 森末之助 清水一郎
第22回 1977年4月24日 ニッポーキング 牡4 58 1:47.9 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第23回 1978年4月23日 シービークイン 牝5 54 1:47.9 吉永正人 松山吉三郎 千明牧場
第24回 1979年4月22日 ゴールデンボート 牡4 53 1:47.9 石神富士雄 中村広 川俣トシエ
第25回 1980年4月27日 シーバードパーク 牝4 53 1:47.9 菅原泰夫 本郷重彦 ホースマンクラブ
第26回 1981年4月26日 シンボリフレンド 牡4 54 1:23.3 柴田政人 野平祐二 シンボリ牧場
第27回 1982年4月29日 エビスクラウン 牡5 55 1:23.7 郷原洋行 松山康久 内多晃
第28回 1983年5月1日 イーストボーイ 牡5 54 1:22.9 根本康広 橋本輝雄 加藤久枝
第29回 1984年4月22日 ハッピープログレス 牡6 57 1:23.8 田原成貴 山本正司 藤田晋
第30回 1985年4月21日 ニホンピロウイナー 牡5 59 1:23.0 河内洋 服部正利 小林百太郎
第31回 1986年4月20日 トーアファルコン 牡5 57 1:23.7 河内洋 服部正利 伊藤昭二
第32回 1987年4月26日 ニッポーテイオー 牡4 57 1:21.8 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第33回 1988年4月24日 ダイナアクトレス 牝5 56 1:21.4 岡部幸雄 矢野進 (有)社台レースホース
第34回 1989年4月23日 リンドホシ 牡4 56 1:23.1 的場均 佐藤林次郎 (株)デルマークラブ
第35回 1990年4月22日 シンウインド 牝6 56 1:23.3 南井克巳 二分久男 林幸雄
第36回 1991年4月21日 ダイイチルビー 牝4 54 1:21.5 河内洋 伊藤雄二 辻本春雄
第37回 1992年4月25日 ダイナマイトダディ 牡4 57 1:21.6 加藤和宏 鈴木康弘 池谷誠一
第38回 1993年4月24日 ヤマニンゼファー 牡5 59 1:21.0 柴田善臣 栗田博憲 土井宏二
第39回 1994年4月23日 スキーパラダイス 牝4 55 1:21.4 武豊 A.ファーブル 吉田照哉
第40回 1995年4月22日 ドゥマーニ 牡4 56 1:21.3 R.ヒルズ K.マクローリン ハムダン殿下 [注 1]
第41回 1996年5月11日 ハートレイク 牡5 59 1:21.1 武豊 S.スルール ゴドルフィン
第42回 1997年5月10日 タイキブリザード 牡6 58 1:20.5 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第43回 1998年5月16日 タイキシャトル 牡4 58 1:20.1 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第44回 1999年5月15日 グラスワンダー 牡4 58 1:20.5 的場均 尾形充弘 半沢(有)
第45回 2000年5月14日 スティンガー 牝4 55 1:21.0 武豊 藤沢和雄 吉田照哉
第46回 2001年5月13日 スティンガー 牝5 56 1:20.1 岡部幸雄 藤沢和雄 吉田照哉
第47回 2002年5月12日 ゴッドオブチャンス 牡4 57 1:20.3 柴田善臣 和田正道 (有)ノースヒルズマネジメント
第48回 2003年5月18日 テレグノシス 牡4 59 1:21.0 勝浦正樹 杉浦宏昭 (有)社台レースホース
第49回 2004年5月16日 ウインラディウス 牡6 57 1:20.4 田中勝春 藤沢和雄 (株)ウイン
第50回 2005年5月15日 アサクサデンエン 牡6 57 1:20.3 後藤浩輝 河野通文 田原源一郎
第51回 2006年5月13日 オレハマッテルゼ 牡6 59 1:21.8 柴田善臣 音無秀孝 小田切有一
第52回 2007年5月12日 エイシンドーバー 牡5 57 1:20.0 福永祐一 小崎憲 平井豊光
第53回 2008年5月17日 スーパーホーネット 牡5 58 1:20.8 藤岡佑介 矢作芳人 森本悳男
第54回 2009年5月16日 スズカコーズウェイ 牡5 57 1:20.6 後藤浩輝 橋田満 永井啓弍
第55回 2010年5月15日 サンクスノート 牝5 55 1:19.8 蛯名正義 二ノ宮敬宇 下河邊行雄
第56回 2011年5月14日 ストロングリターン 牡5 57 1:20.2 石橋脩 堀宣行 吉田照哉
第57回 2012年5月12日 サダムパテック 牡4 56 1:20.1 C. ウィリアムズ 西園正都 大西定
第58回 2013年5月11日 ダイワマッジョーレ 牡4 56 1:20.6 蛯名正義 矢作芳人 大城敬三
第59回 2014年5月17日 レッドスパーダ 牡8 56 1:19.7 北村宏司 藤沢和雄 東京ホースレーシング

最終更新:2015年02月09日 17:56