オールカマー(G2)



主催者

日本中央競馬会

競馬場

中山競馬場

創設

1955年10月16日

距離

芝・外2200m

格付け

GII

賞金

1着賞金6000万円、賞金総額1億1400万円

出走条件

サラブレッド系3歳以上(国際)(指定)

負担重量

グレード別定

オールカマーは、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場の芝外回り2200メートルで施行する中央競馬の重賞(GII)競走である。産経新聞社が賞を提供しているため、正式名称は産経賞オールカマーと表記される。

概要

1955年に4歳(現3歳)以上のハンデキャップの重賞競走・産経賞オールカマーとして創設。中山競馬場・芝2000mにて施行された。1978年には混合競走となり外国産馬が出走可能になった。
1984年にグレード制導入によりGIIIに格付けされ、また負担重量を別定に、施行距離を現行の芝2200m外回りコースに変更された。1986年より負担重量を馬齢重量に変更、1995年にGII に格上げされ、負担重量も再び別定重量に戻されるとともに、国際競走に指定され、外国調教馬の出走が可能になったほか、地方競馬招待競走から指定競走へと変更された。2007年よりの日本のパートI国昇格に伴い国際格付けとなっている。
天皇賞(秋)へのステップレースに位置付けられており、特に1980年代後半から1990年代にかけての優勝馬にはスズパレード・オグリキャップ・ビワハヤヒデ・ヒシアマゾン・サクラローレル・メジロドーベルといった名馬が名を連ねていたが、宝塚記念が7月(現在は6月最終週)に行われるようになると、有力馬陣営の多くは夏の休養を十分に取れるようになり毎日王冠または京都大賞典を秋初戦として選ぶようになったため、しばらく優勝馬から同年のGI優勝馬は出ていなかった。2007年の優勝馬マツリダゴッホが同年の有馬記念を勝利し、久々のオールカマー勝利後のGI優勝馬となった。 また同年のGI勝利馬ではないものの、2000年優勝馬メイショウドトウが翌年の宝塚記念を制覇している。
中央競馬と地方競馬との交流が盛んになるまでは大井競馬場の帝王賞(中央競馬招待競走)とこのオールカマー程度しか両者間での交流はなかった。当初より出走馬に広く門戸をあけた競走で、サラ系にアラブ馬が挑む年もあった。古い競馬ファンにはお祭り的要素が強い印象を与える競走となっている。[要出典]1986年から1994年までの間、地方競馬招待競走となって帝王賞とブリーダーズゴールドカップと当競走を制すると地方交流三冠(交流三冠)と呼ばれ、また地方競馬所属馬のジャパンカップへの選考競走の意味合いを持つ競走となり、ジュサブロー(愛知競馬)・ジョージモナーク(大井競馬)の2頭が地方馬として勝利を収めた。現在は地方所属馬に限られるが、上位2着まで天皇賞(秋)への出走権(優先出走権ではない)が与えられるトライアル競走である。
出走資格はサラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属馬(未出走馬及び未勝利馬は除く)、地方所属の競走馬(2頭まで)及び外国調教馬(9頭まで)。
負担重量は3歳53kg、4歳上56kg、牝馬2kg減を基本とし、
施行日当日から1年前の開催週以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増
施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
施行日当日から1年前の開催週より過去のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
以上の条件で斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

歴史

1955年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬によるハンデキャップの混合の重賞競走として第1回産経賞オールカマーが創設され、中山競馬場・芝2000mで施行された。
1963年 - 名称をサンケイ賞オールカマー[2]に変更。
1968年 - 東京競馬場のスタンド増築工事に伴う振替開催により、東京競馬場・芝2000mで施行。
1970年 - 施行場を東京競馬場・芝2000mに変更。
1974年 - 施行場を中山競馬場・芝2000mに戻す。
1975年 - 京葉労働組合の労働協議の影響による開催中止の振替開催により、東京競馬場・芝2000mで施行。
1978年 - 混合競走に指定。
1980年 - 東京競馬場・芝2000mで施行。
1981年 - 負担重量を別定に変更。
1984年 - 施行距離を芝2200mに変更。グレード制施行によりGIIIに格付け。増沢末夫が騎手として史上初の連覇。
1986年 - 指定交流競走に指定、サンケイ賞オールカマー(地方競馬招待)に表記変更。負担重量を馬齢重量に変更。地方愛知所属のジュサブローが地方所属馬として史上初の優勝。
1988年 - 中山競馬場のスタンド改築工事に伴う振替開催により、新潟競馬場・芝2200mで施行。
1989年 - 名称・表記を産経賞オールカマー(地方競馬招待)[2]に変更。
1991年 - 地方大井所属のジョージモナークが地方所属馬として史上2頭目の優勝。
1994年 - 「JRA創設40周年記念 産経賞オールカマー(地方競馬招待)」と銘打ち施行。
1995年 - グレードをGIIに格上げ。混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は5頭まで出走可能となる。
指定交流競走に指定され、地方所属馬は2頭まで出走可能となる。負担重量を別定に変更。台風12号の関東圏接近の影響で翌9月18日月曜日に延期。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
2002年 - 東京競馬場の改修工事による振替開催により、新潟競馬場・芝2200mで施行。
2006年 - 牝馬限定重賞競走優勝馬の負担重量を軽減。バランスオブゲームがJRAの最多GII勝利の6勝を記録。
2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
2012年 - 基本負担重量をは3歳54kg、4歳上57kg(牝馬は2kg減)から3歳53kg、4歳上56kg(牝馬は2kg減)に変更。
2014年 - 中山競馬場のスタンド改築工事に伴う振替開催により、新潟競馬場・芝2200mで開催。
この年から当競走の1着馬に天皇賞(秋)への優先出走権が付与される。

歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1955年10月16日 メイヂヒカリ 牡3 2:04.0 蛯名武五郎 藤本冨良 新田新作
第2回 1956年11月11日 トヨタニ 牡4 2:10.4 高橋英夫 鈴木信太郎 中村勝五郎
第3回 1957年10月20日 キタノオー 牡4 2:04.4 勝尾竹男 久保田金造 田中留治
第4回 1958年10月19日 マサタカラ 牡4 2:07.0 保田隆芳 古賀嘉蔵 西博
第5回 1959年10月18日 ウネビヒカリ 牡3 2:06.0 野平祐二 野平省三 山之内喜代子
第6回 1960年10月16日 ヤシマフアースト 牡4 2:02.5 保田隆芳 尾形藤吉 小林庄平
第7回 1961年10月15日 アズマテンラン 牡3 2:02.7 野平好男 二本柳俊夫 堀平四郎
第8回 1962年10月14日 リユウムサシ 牡3 2:03.4 森安弘明 元石正雄 田中彰治
第9回 1963年10月27日 ミオソチス 牝3 2:05.6 高松三太 川上武一 伊達政志
第10回 1964年10月18日 フラワーウツド 牝3 2:09.5 野平祐二 尾形藤吉 永田雅一
第11回 1965年10月10日 ミハルカス 牡5 2:04.6 加賀武見 小西喜蔵 平井太郎
第12回 1966年11月27日 ヒシマサヒデ 牡4 2:04.2 小野定夫 稗田敏男 阿部雅信
第13回 1967年10月22日 オンワードウエル 牡4 2:03.9 大和田稔 二本柳俊夫 樫山純三
第14回 1968年9月29日 スイートフラッグ 牝4 2:01.1 野平祐二 野平省三 和田共弘
第15回 1969年10月26日 ライトワールド 牡4 2:05.6 吉永正人 三井末太郎 渡辺光一
第16回 1970年10月25日 マキノホープ 牡4 2:01.8 加賀武見 田中和夫 田中角栄
第17回 1971年10月17日 キクノハッピー 牡3 2:01.5 波多野浩久 山岡寿恵次 田中伊三郎
第18回 1972年10月22日 イナボレス 牡3 2:01.4 宮田仁 大久保末吉 稲富稜人
第19回 1973年10月14日 ハクホオショウ 牡4 2:01.7 池上昌弘 尾形藤吉 西博
第20回 1974年10月13日 イチフジイサミ 牡4 2:04.4 郷原洋行 松永光雄 保坂勇
第21回 1975年10月12日 キクノオー 牡4 2:01.9 横山富雄 山岡寿恵次 田中伊三郎
第22回 1976年10月17日 グレートセイカン 牡4 2:02.2 郷原洋行 大久保房松 鈴木一朗
第23回 1977年10月16日 トウフクセダン 牡4 2:01.1 宮田仁 大久保末吉 井上芳春
第24回 1978年10月15日 ハセオーマ 牡3 2:01.4 柴田政人 佐藤勝美 長南鶴雄
第25回 1979年10月14日 ユキフクオー 牡4 2:02.0 小島太 古山良司 加藤友三郎
第26回 1980年10月12日 ブルーマックス 牡5 2:00.4 東信二 境勝太郎 角隆司
第27回 1981年9月20日 ハセシノブ 牝4 2:04.3 田村正光 畠山重則 長南鶴雄
第28回 1982年9月26日 トドロキヒホウ 牡4 2:02.7 安田富男 元石孝昭 町田圭三
第29回 1983年9月25日 スイートカーソン 牝4 2:03.6 増沢末夫 大和田稔 和田共弘
第30回 1984年9月23日 アサカシルバー 牡5 2:13.9 増沢末夫 高橋英夫 佐久間有寿
第31回 1985年9月22日 アサカサイレント 牡3 2:15.0 安田富男 元石孝昭 佐久間有寿
第32回 1986年9月21日 ジュサブロー 牡4 2:15.2 鈴木純児 安達小八 角田哲男
第33回 1987年9月20日 ダイナフェアリー 牝4 2:14.5 増沢末夫 鈴木康弘 (有)社台レースホース
第34回 1988年9月18日 スズパレード 牡7 2:12.3 蛯沢誠治 富田六郎 小紫芳夫
第35回 1989年9月17日 オグリキャップ 牡4 2:12.4 南井克巳 瀬戸口勉 近藤俊典
第36回 1990年9月16日 ラケットボール 牡5 2:13.3 坂井千明 松山康久 栗山博
第37回 1991年9月15日 ジョージモナーク 牡6 2:12.4 早田秀治 赤間清松 須原秀晴
第38回 1992年9月20日 イクノディクタス 牝5 2:12.1 村本善之 福島信晴 勝野憲明
第39回 1993年9月19日 ツインターボ 牡5 2:12.6 中舘英二 笹倉武久 黒岩晴男
第40回 1994年9月18日 ビワハヤヒデ 牡4 2:14.5 岡部幸雄 浜田光正 (有)ビワ
第41回 1995年9月18日 ヒシアマゾン 牝4 2:16.3 中舘英二 中野隆良 阿部雅一郎
第42回 1996年9月15日 サクラローレル 牡5 2:16.7 横山典弘 境勝太郎 (株)さくらコマース
第43回 1997年9月14日 メジロドーベル 牝3 2:16.6 吉田豊 大久保洋吉 メジロ商事(株)
第44回 1998年9月20日 ダイワテキサス 牡5 2:13.6 武豊 増沢末夫 大和商事(株)
第45回 1999年9月19日 ホッカイルソー 牡7 2:12.0 江田照男 田中清隆 (有)北海牧場
第46回 2000年9月24日 メイショウドトウ 牡4 2:15.8 的場均 安田伊佐夫 松本好雄
第47回 2001年9月23日 エアスマップ 牡6 2:13.9 柴田善臣 藤沢和雄 (株)ラッキーフィールド
第48回 2002年9月22日 ロサード 牡6 2:11.7 後藤浩輝 橋口弘次郎 (有)社台レースホース
第49回 2003年9月28日 エアエミネム 牡5 2:14.4 蛯名正義 伊藤雄二 (株)ラッキーフィールド
第50回 2004年9月26日 トーセンダンディ 牡6 2:13.4 勝浦正樹 森秀行 島川隆哉
第51回 2005年9月25日 ホオキパウェーブ 牡4 2:16.7 後藤浩輝 二ノ宮敬宇 金子真人ホールディングス(株)
第52回 2006年9月24日 バランスオブゲーム 牡7 2:12.1 田中勝春 宗像義忠 薗部博之
第53回 2007年9月23日 マツリダゴッホ 牡4 2:12.5 蛯名正義 国枝栄 高橋文枝
第54回 2008年9月28日 マツリダゴッホ 牡5 2:12.0 蛯名正義 国枝栄 高橋文枝
第55回 2009年9月27日 マツリダゴッホ 牡6 2:11.4 横山典弘 国枝栄 高橋文枝
第56回 2010年9月26日 シンゲン 牡7 2:11.4 藤田伸二 戸田博文 吉田千津
第57回 2011年9月25日 アーネストリー 牡6 2:11.2 佐藤哲三 佐々木晶三 前田幸治
第58回 2012年9月23日 ナカヤマナイト 牡4 2:15.5 柴田善臣 二ノ宮敬宇 和泉信一
第59回 2013年9月22日 ヴェルデグリーン 牡5 2:12.0 田辺裕信 相沢郁 斎藤光政
第60回 2014年9月28日 マイネルラクリマ 牡6 2:12.2 戸崎圭太 上原博之 サラブレッドクラブ・ラフィアン

最終更新:2015年02月09日 18:08