断罪の剣

 

 

 

■今回予告■

 

 望まない力を持ち、故郷に捨てられた少女は、自らを暖かく迎え入れてくれた人達をことごとく死に追いやる呪いを恨んだ。その死を自身の手で与える事を悲しんだ。ただ寄り添いたいだけなのにという叫びは、幸せな雑踏に飲まれ消えて行く。

 

ビーストバインドトリニティ

『断罪の剣』

 

【渇望-エゴ-】による罪は、【絆】にのみ許される。

 

 

■PC紹介■

 

PC①

人の名:伊坂※※(ファーストネーム解読不可)

魔の名:伊坂※※(ファーストネーム解読不可)

スタイル:ディフェンダー

プライマリ:レジェンド/伝説の英雄

セカンダリ:イレギュラー/魔剣

 

 自分が見たり知ったりした全ての剣を具現化する程度の能力を持った英霊と融合した人。作り出した剣を味方に貸与する事で、その戦闘能力を大幅に跳ね上げる。

 作成している時点で名前だけは決まっていて、苗字が決まらないとプレイヤーが嘆いているのを見たGM、滑らかに「磯野にすれば?」と提案。周りから散々磯野と呼ばれるが最終決定は伊坂だし、磯野と呼ばれれば本人は怒る。そして最初に決まっていた筈のファーストネームはセッションシートもレコードシートも解読不可能な有様。後日プレイヤーに確認を取るも忘れられていたので、名前不明になっている。決まっていたとは一体。

 

PC②

人の名:黒野 渚

魔の名:製造番号F9817

スタイル:アタッカー

プライマリ:フルメタル/サイボーグ

セカンダリ:フルメタル/サイボーグ

 

 身体の各部位に収納された銃器で戦うサイボーグ。見た目は高校生、中身も大体高校生なのだが、生み出されてからの年数が少ないのもあって、たまにポンコツと化す。トラブルメーカーとしての能力は圧倒的といわざるを得ない。PC③と併せて、今回はツッコミ役が足りていなかったのが最大の失策だった

 

PC③

人の名:こんのすけ

魔の名:こん

スタイル:サポーター

プライマリ:セレスチャル/妖狐

セカンダリ:ヴォイド/死神

 

 狐火による攻撃より味方へのサポートが主なサポーター。ガチマンチサポーターなら必要不可欠とさえ言えるセレスチャルブラッドを取得しているので、嫌になるくらい強力なサポーター。

 自己紹介で「天才」とまでのたまいつつ、その行動は破天荒の一言に尽き天才というより天災と言わんばかりに場をぐるんぐるんと掻き混ぜてくれた。渚とは別方向なボケで、どちらをも同時に捌くのは不可能だった。

 

PC④

人の名:場外の人

魔の名:(空欄)

スタイル:場外

プライマリ:ハーミット/バイトの人

セカンダリ:ハーミット/バイトの人

 

 GMの悪乗り。一応愛を二点、罪を一点所持させたがあらゆるシーンどころかシナリオにも一切関係ない場所に放置されていた。もしもって時の補填用として配置した、後悔はしていないし反省する気もない。元々はPC②として参加する予定だったプレイヤーが部活の都合で当日にキャンセル、部活が終わった後参加したいとかほざいたから即席でハンドアウトとスピリチュアルアンカーを叩きつけたGMの即決力は我ながら称賛に値すると信じている。

 

 参加PCが全員男性である事は案外珍しく、またいつもガチマンチPCばかり作成するプレイヤー1が設定重視のキャラクターを用意していたなど、なかなか新鮮さがあるセッションとなったと思う。というかプレイヤー1、お前がボケ要素を提供しないままにボケが飽和するというのは恐らく初めてだったのではないか? 今回予告はシリアスだったが、キャラクター紹介の段階で既にシリアル化が進んでいる。当時はまだ何とかなると思っていたGMは気合いを入れて始めるのでした。

 

 

GM:宜しくお願いしまーす!

一同:宜しくお願いしまーす!

 

 

■オープニングフェイズ■

 

シーン1 シーンプレイヤー:伊坂

 

 このシナリオのヒロインであるところの少女が転校してくるシーン。プレイヤーには「突然の転校生に優しくできる」キャラクターを作るようお願いしていました。が、

 

GM:では始めよう。朝のHRかな。

伊坂:面倒臭いと思っているから、寝てる

 

 真っ先にこれである。先行き不安に思いつつも、シナリオメモに書かれている通りにごり押して行くGMです。

 

GM:少女はさっと黒板にチョークを走らせるが、残念ながら君を含む誰にも読めない字だな。因みにロシア語。んでは、金髪碧眼の英国人そのものといった美少女は振り返ってお辞儀し自己紹介をするぞ。

GM/アート:「アート・シュート・ミェーチです。見ての通りですので、この国については殆ど存じ上げていないのですが、私はその……色んな人を見てみたいなぁって、そう思っているのです。それで、この世界にはデパートなるものがあると聞いて、大変興味を持っておりまして。情報をお持ちの方がおりましたら、不躾ながらお聞きしたく……」

 

 喋り過ぎたと口を塞いだりして女の子らしさを振り撒くのだが、PC①が居眠りしている以上は意味がない。その隣にアートがすとんと腰を降ろした辺りで、ようやく目を覚ましてくれました。

 

伊坂:目を覚ましたら見覚えのない美少女が隣にいた(一同笑)

GM:彼女は改めて名乗って握手を求めたりしてみるが。

伊坂:勿論応じる。

GM:うん、じゃあ転入についてはおしまい。紆余曲折あって週末のデパートになるよ。

伊坂:デパートについての話を眠って丸ごと素通りしていたのにな(笑)

GM:うん知るか、とりあえず色々あったの!(一同笑)

 

 デパートにたくさんの人がいるのを認めてはしゃぐアートに苦笑しながら伊坂が続いたところでシーンを閉じます。与えたSAは【デパート探検を無事に終わらせる】簡単過ぎると言われたが黒い笑みを見せつつ次のシーンへ。

 

 

シーン2 シーンプレイヤー:こんのすけ

 

 公式NPCの野白さんから依頼を受け取るシーン。バー的な場所を想定していたが、カヴァーが小学生であるこんのすけに合わせ急遽ファミレスに変更。事前に集合場所と時間はメールで通達済みなので、来店まではさくっと進んだ――というか来店したところから開始しました。

 

GM:(シナリオメモを見つつ)君が来店すると、刺すような冷徹な視線を感じられるだろう。視線の先を追うと――

こんのすけ:(遮って)咄嗟に弓を取り出して構える!

GM:……おい、昼間のファミレスでいきなり武器構えるのはやめとけよ。いや、禁止は出来ないけどさ。

こんのすけ:そういえばそうだった。じゃあ弓を出すのはなしで、腰を落として身構える。

 

 TRPGにおいて「やっぱりなし」はあまり認めたくないものです。テレビゲームのようにリセットすれば良いという発想はコミュニケーションを基本とするTRPGの理念を否定する事に繋がると思うので(勿論、人それぞれに考えはあるから一概にこれと示せないのですが)。

 

伊坂/突然客:「ねぇ見て、小さな子供にガン飛ばしている女の人いるー」

渚/突然客:「おぉ、怖いねー」

GM:流石にそう言われると視線を外さざるを得ないけど、「あれーおっかしいなー」って感じで資料を何度も確認するのだよ。

こんのすけ:じゃあこっちも怖いなーと思いつつ(一同笑)携帯で確認して「……あ!」(一同爆笑)

 

 それからようやく本題に入れてGMとしては安堵。アートという名の魔物が大量殺戮を犯し、近い内にデパートに現れる可能性がある事。もしそこで何かがあったら事だが、先の事件の処理があって手勢を即動かせないから、身軽に動けるPC②を頼る形になっています。

 

こんのすけ:で、結局何すればいいの?

GM/野白:「週末のデパートで魔物を捜し、兆候が見えたら殺戮を許可しろ」と……(一同沈黙後爆笑)

伊坂:許可(笑)

GM:違う! 阻止だ阻止! 必要があれば力の使用も許可するって言いたかったの!

こんのすけ:はーい(笑)

 

 最後にアートの写真を手渡して、野白さんとの会話はおしまい。時間を飛ばし、デパート探索を開始したところでシーンを終了。の前に、

 

こんのすけ:じゃあ、半魔の脚力を使って3秒でデパートは周り終わるよ。

GM:は?

こんのすけ:だけど、速過ぎて自分では何も理解出来てないから、普通に探索する(一同笑)

渚:流石天才(笑)

伊坂:格の違いを感じた(笑)

 

 (改めて)シーン終了前にSA【殺戮を阻止する】を渡し、やっとシーンは終了。真面目なシナリオは、早くも綻びを生じさせていました……。

 

 

シーン3 シーンプレイヤー:渚

 

 こちらも公式NPCの長沢さんから依頼を受ける導入。野白さんと多少ならざる因縁があってみたりと、中々に複雑なのは内緒。人に紛れるのにまだ問題があったりするので、そこら辺を融通してくれる代わりに仕事を頼まれる。ギブアンドテイクな関係だったりします。実は伊坂のクラスメイトだったりもする渚のところに、長沢さんからの電話が掛かってくるところからシーンが始まりました。

 

GM/長沢:「夜分遅くに済まない。突然ではあるが、頼みたい事があるんだ」

渚:だが断る(一同笑)というのは冗談です(笑)「ふーん、どんな?」

GM:えっと、長沢さんの話では、最近君の学校に転校してきた少女――まあアートなんだけど、彼女に関係してMMMが動いているって噂があったっぽい。でも信憑性薄いので死霊科は動かせないし、でも放っておきたくない。という訳で、君に白羽の矢が立ったって感じだね。

渚:え、アートって誰?(一同笑)

GM:PC①が寝ていたせいか……(嘆息)

渚:あ、なんか思いだせたかも。「分かった。やっとく」

GM/長沢「随分軽いものだな(苦笑)確かめるだけでいいんだ、決して無理をしないでくれ」

渚:はーい。ブチっ。

GM:一切の躊躇なく切りやがった(一同笑)これでシーン終わるのも味気ないし、何かアートについて思い出して独り言どうぞ。

渚:うーん、確か磯野君と一緒にいた……

遠くの伊坂:磯野じゃねぇよ!(一同笑)

渚:外国人っぽい美少女だった!

GM:あー、大体合っているしそんなもんでいいか。という訳で、君は週末のデパートに彼女が向かおうとしている事を長沢さんに伝えられて向かう事になるってな感じだ。

 

 シーン終了前にSA【噂の真相を確かめる】を与え、シーンを終了。これで全員がデパートに行く理由を得た事になるが、さらにもう1シーンを挟み、ミドルへとスムーズに入れるようにテコ入れをします。

 

 

シーン4 シーンプレイヤー:こんのすけ

 

 このシーンで、こんのすけと伊坂を合流させ、ミドルへと繋がるイベントを起こす事に。ゆっくりとデパートを探索しているこんのすけが、楽しそうに買い物に勤しんでいるアートを発見するところからシーンが始まります。

 

GM:ではオープニング最後のシーンを始めていこう。こんのすけよ、君はデパートを探索しつつアートの姿を探すのだが、それは実にあっさりと見つかるぞ。今は買い物に勤しんでいるな、お供を一人引き連れて。

伊坂:「お、重い……」って言いながら大量の荷物抱えてついて行っている。

GM/アート:「荷物まで持っていただいて、有り難う御座います」って微笑みつつ器用に荷物の山に追加を積んで次の店に入ってくよ。

伊坂:「さ、流石に休んでいいかな?」

GM/アート:「それもそうですね。それじゃあ、伊坂さんはそこのベンチで休んでいてくださいな。私はあっちのお皿を見てきますね!」っと。ぱたぱたと彼女は向かっちゃう訳だ。ベンチならちゃんとアートが示していた位置にあるよ。

伊坂:なら溜め息をつきつつ休憩しよう。

こんのすけ:休憩中の磯野に近付いて声を掛けるよ。「よう磯野!」

伊坂:磯野じゃないから……!(一同笑) 「誰? あと、磯野じゃないんだけど」

こんのすけ:確か写真貰っていたから、それを見せつつ「この子と一緒にいたよね?」って聞く。

伊坂:訂正スルーかい。「だったら何?」

こんのすけ:「やっぱり。デートしてたの?」

伊坂:「ばっ! そんなんじゃねーし!」

GM/アート:そこら辺で割れ物入りの箱を持ったアートが現れるぞ。「お待たせしましたー、ってあれ? どなたですか?」

伊坂:「人の事急に磯野とか呼んで絡んできた失礼なやつ」

こんのすけ:「だって磯野は磯野だし」

GM/アート:「あの、喧嘩なさらないでください……。折角ですし、一緒にあっちのお店を見に行きませんか?」とアートはこんのすけに問いかけるよ。

こんのすけ:「実は、あなたは狙われている。だから迂闊に動くのは危ないんだ」って言う。

GM/アート:「へ? 私が誰かに狙われているのですか?」

こんのすけ:「そう、だから僕はあなたを守りにきたんだ」

伊坂:狙われているはともかく、守るとまで言う必要あったのか?

こんのすけ:え? だって守れって依頼だったし……。

GM:そんな依頼出した覚えないんですがそれは(一同笑)

伊坂:そうだよ、だって『殺戮を許可』って――

GM:いつまで言い間違いを弄れば気が済むんだ!(悲鳴)

こんのすけ:あ、そっか。じゃあえーっと、どうしよう?

GM:ま、基本的に巻き戻しはしないからこのままの路線で上手くやってくんろ。何はともあれ、アートはこんのすけに今さっき買ってきたお皿の入った箱を渡すと次のお店へてくてくと歩き出すが。

こんのすけ:寄越された荷物をいそ……伊坂の荷物タワーの上に置く(一同笑)

伊坂:危ういとこでバランス取りながら、頑張ってついて行く。

 

 ここから暫くスーパーお買いものタイム。とりあえず付いて来たこんのすけにも荷物を持たせてみたりしつつ、一同はあっちへこっちへと買い物を楽しみます。ぐったりとした荷物タワーの土台こと伊坂による「休憩させて」という懇願により、一旦喫茶店というか軽食店というか、まあテーブルにかけてコーヒー飲んでゆっくりできる場所にてのんびりする。ここでGM、シナリオ序盤のみに配置しておいたほのぼのタイムを終了させるべく、シナリオを進めます。

 

GM:それではですね、コーヒーをこくんと飲んで一息ついてから、アートはぺこりと一礼してから、君らに向かって口を開くぞ。

GM/アート:「今日は本当に楽しかったです。それもこれも皆さんのおかげです、有り難うございます。短い時間でしたが、私の生きてきた中で最も幸せな時間でした。終わってしまうのが、とっても心残りです」

伊坂:「まるでこれが最後みたいに言うじゃないか。また来ようよ」

GM:君の言葉に寂しそうな笑顔で応えつつ、アートはすっと立ち上がる。そんで、満をじしての《アレナ展開》だ。僅かに歪んだ世界の中、真っ直ぐこんのすけを見て、一瞬の躊躇いもなくアートは口を開くぞ。

GM/アート:「もう私は、十分に幸せでした。さあ、殺してください

こんのすけ:……え?

GM:いっそ怖くなる程揺るがずに彼女がそう言ったところで、シーン終了だ。

 

 お気楽な買い物から激しい落差を見せる。これでオープニングフェイズの“らしさ”を演出できた筈ですとか、GMを担当したアタクシは言ってみます(低姿勢)

 

 

■ハンドアウト■

 

PC①

シナリオ絆:アート・S・ミェーチ

内容:『今日は、このクラスに転校生さんが来ています』

平和で、ある意味退屈とさえ言える日常。それを崩すように現れた少女は、ただ純粋に微笑んでいた。半ばその笑顔に引きずられるように、君の休日は見慣れた場所の探険に費やされる事になりそうだ。

 

 

PC②

シナリオ絆:野白久里子(ノシロクリコ)

内容:『改めて、依頼内容を説明する』

苦虫を噛み潰したような顔でそう切り出し、凄惨な事件の実行犯の排除を依頼される。それは特に珍しい事でもなんでもない。身軽に動き回れるからこそ、君は頼りにされているのだ。

 

 

PC③

シナリオ絆:長沢遼(ナガサワリョウ)

内容:『確かめるだけでいいんだ、決して無理はしないでくれ』

あれこれとあらぬ噂が飛び交う転校生の話題。他愛のない噂は、しかし聞くところが聞けば洒落にならない真実となる。君はその真偽を確かめる為に動き出す。ただ家でごろごろしているより、余程楽しめそうな週末になりそうだ。

 

 PC④はまだこの時点で卓にいないので、保留です。

 

 

■ミドルフェイズ■

 

シーン1 マスターシーン

 

 シリアスっぽさをじわじわ浸透させる目的のあるマスターシーン、シナリオメモをちらちらカンニングしつつ、GM頑張っています。

 

「実に、恐ろしい程の力を持つ娘だ。望む望まぬに関わらず、な」

そう呟き、その男はしばし黙って楽しそうにあちこちを駆ける少女を眺める。と、不意に展開されたアレナの気配を感じ、男は嬉しそうに顔を笑みへと歪めた。

「やはり分かっていたのだな、最後の抵抗という訳か。そうでなくては、楽しくない。抗えない呪いに立ち向かうか、ミェーチ」

彼が宙空に指を走らせると、アレナの中央で静かに佇んでいた少女の身体が、揺らいだ。だが、そのまま少女が崩れ落ちるかというところで、彼の指は不意に止まった。その口が、忌ま忌ましそうに後ろに立つ『人ならざる者』に言葉をぶつける。

「欝陶しいな。殺戮を阻止する……だけが目的じゃないな? ふむ」

少し、ほんの少しだけ思案げな表情を浮かべたものの、すぐに無表情へと戻る。その声にも既に不満げな色はなく、酷く空虚であった。

「俺と同じモノを狙っているなら、邪魔はさせないぞ。MMMのでく人形どもが!」

 

 

シーン2 シーンプレイヤー:伊坂

 

 まず、アートは伊坂が半魔であることには一切気付いていないと説明し、彼も状況が理解出来ず停止しているという形でスタートになります。美味しいタイミングを見計らって声をかける気満々でしょうね(笑)

 

GM/アート:「やはりアレナの中でも意識を失わない……私の予想は当たっていたようで何よりです。さあ、きっと私は人をたくさん殺します。私が手を下さずとも……いえ、ここで言い訳するのはやめておきます。さあ、お願いします」

こんのすけ:「そ、そんなこと言われても……」

GM/アート:「……あなたは、私を追っていた連中の仲間で、私を殺そうとしているのではないのですか?」

こんのすけ:「それはそうだけど、でも……」ど、どうしようこれ(一同笑)

伊坂:仕方ない、ここで動くとしよう(笑)驚いた様子で「アレナ!? 一体どうなっているんだ!?」と声をあげます。

GM/アート:ではアートは超ビックリします。「ウェッ!?(0w0;)」っと思わずオンドゥル的にビビった後、慌てて「きゃっ!」と言い直す感じで(一同爆笑)

遠くの渚:それでいいのかヒロイン(笑)

GM/アート:ま、それが彼女の素ですから(一同笑)それよりもアートは伊坂に向かって震え声で言いますぜ。「え、伊坂さん……アレナの中で動けるって事は、私の言葉も聞いて……?」

伊坂:そう言われるなら即座に「いきなり殺せだの言うなよ!」と言います。

GM/アート:あっちゃー。それはあかん台詞。アートは顔を真っ赤にして手で覆いますよ。「お」

一同:お?

GM/アート:「お嫁にいけないぃ」(一同笑)

こんのすけ:そこまでか!

GM/アート:「あんな、あんな恥ずかしい事をよりによって伊坂さんの目の前でぺらぺらと話すだなんて……うわぁん!」

伊坂:「大丈夫。か、格好良かったよ?」とか全然フォローにならんな(笑)

GM/アート:残念、余計赤面して大慌てで言い訳を始めてみたりしちゃうぞ。

遠くの渚:シリアスってなんでしたっけ?(笑)

GM:シリアスってのはね、これから帰還してくるやつの事さ(ドヤァ

 と言う訳で、わたわたと言い訳しているアートが突然呻き声をあげてその場に倒れるぞ。

伊坂:「アート!」って抱き留めつつ、どうなってんのこれ?

GM:うむ、判定によって情報をくれてやろう。

 

 型通りの判定をすり抜けて、アートの身に今起こっている事を二人は調べます。

・彼女の心に宿るエゴと何かが互いに影響を及ぼし、特殊な暴走状態に陥る寸前といった様子。

・彼女の持つ絆と何かが互いに影響を与え合い、彼女の意思に関係なく暴れ出しそうになっている。

と判明。絆とエゴという二つの単語を出したかっただけと言われれば返す言葉もなかったり。

 

こんのすけ:これって結局どうすればいいの?

GM:割とベタで安直な答えならありますが出来れば当てて欲しいなぁ、なんて。

伊坂:うーんと、絆でも取ればいいのか?

GM:その通り! 因みに、関係の変化も絆取得に含めるから二人が彼女に対する絆を得ればとりあえずの危機は脱すると考えてくれて構わないよ。

伊坂&こんのすけ:絆取るよー。

GM:ほいほいっと。それではアートだが、辛そうではあるもののすぐに何かあるって感じではない。その場で気を失うに留まったぞ。それと同時に彼女が展開していたアレナは霧散する。ま、すぐに別のアレナが上書きするのだけどね。新たに上書きされたアレナの中を進むは、紳士然としたおっさんだ。えーっと……(シナリオメモ見ながらわざとらしい拍手)

遠くの渚:なんか始まった(笑)

GM/紳士:「初めまして、になるかな。そこの暴走娘は、これからしなければならない仕事がある。良ければ渡してはくれまいか?」

伊坂:「いきなり出てきたやつに、はいそうですかと渡せるかよ」

GM/紳士:「道理ではあるが、それを庇ってもいい事はないと思うのだがね。仕方ない、あまり戦闘は得意ではないが……む」とここで紳士は露骨に嫌そうな顔をするぞ。

こんのすけ:戦闘になるから?

伊坂:というより、何かそれよりもっと嫌な事があるって感じの描写だけど。

GM:まあね。少し考え込む様子を見せるも、紳士はすぐに首を振り、ついでに手を振る。その手の動きに呼応して、空間に突然穴が開き、異形の化け物が吐き出される。≪資産:召喚≫、有り難く受け取ってくれたまえ。そんで戦闘……の前に。渚や。

遠くの渚:ん? なに?

GM:君は目標であるところのアートを探してデパートを迷走していた訳だが、唐突にアレナの気配を感じる事が出来るぞ。その気配の効果で、一般人は無意識にその場から離れていく。という訳で、たぶん目的地であろう場所が割れた訳だ。どうする?

渚:そりゃあ、人を掻き分け向かうでしょう。

GM:うむ。そうして人波に逆らい行進する君は、気付ける。同じように人波に逆らい、真っ直ぐアレナを目指して進む者がいる事に。そして、それらが人に扮した人ならざるもの、MMMであると。残念ながら追いつけはしないが、同時に登場くらいは出来るぞ。という訳で、渚が合流したところからだ。ほい、前口上どうぞ。

渚:「そこにいるのは、磯野!」

伊坂:「平然と友人の名前を呼び間違えるのは、ちょっとどうかと思う。というか何でここに?」

こんのすけ:「細かい事情は後にして、まずは目の前にいる敵を何とかしてからじゃない?」

伊坂:「それもそうか」っと、紳士はどうなったん?

GM:≪資産:帰還門≫と唱えてグッバイエブリワンしたよ。戦闘を始めようか。

 

 

シーン3 シーン     プレイヤー:伊坂

 

彼らの初陣となる戦闘です。小手調べの面が一番ですが、PC同士で連携を取れる程度には戦力を把握して貰おうという事で、FPを水増ししたクラード2体による1エンゲージ、同じくFPを水増しした単体エネミー3体ばらばらに配置。さらにPC伊坂、PCこんのすけは敵に囲まれている状態にし、PC渚がその外側にいる形でのスタートに。

 ですが実際は、酷いものでした。

 

GM:まずはセットアッププロセスだ。敵は特にない、強いてあげるなら紳士が≪資産:帰還門≫を使用しているので、この戦場には干渉できないと伝える程度だな。

こんのすけ:穴を設置するよ。

GM:≪虚無の穴≫だな、いいだろう。エンゲージは6つもあるがどこにする?

こんのすけ:MMM(クラード2体)のとこー。

GM:ん? 本当にそこでいいの?

こんのすけ:え、どうして?

GM:(あ、言わなきゃよかった……)いや、確か死神の支援アーツって穴で強化されるから、自身のエンゲージに出した方が安全かなーと思ってさ。隠す程でもないから言うけど、敵は普通に接敵するやつのが多いし。

こんのすけ:そっか、じゃあ自分のエンゲージに穴出すー。

渚:≪魔獣化≫しまーす。

伊坂:渚に対して武器を付与してやろう。計算面倒だけど頑張って。

 

 セットアップで全員が何らか動くのは珍しいなぁとのんびり眺めていたのですが、まさかこの後ただ範囲攻撃にしてみただけの軽い一撃でクラードはおんぼろに。なんか既に連携の片鱗が見えていて怖い。異形達も割と頑張って食いつくものの小手調べでしかないので、ただ人間性を持っていくだけに留まりました。緊張感を与えられないのは口惜しいですが、今は彼らを調子に乗らせた事を喜ばねばとGM、一人ほくそ笑んでおくことにしました。そして、戦闘が終了した時に少しだけ緊張を高める為の【社会】判定を要求。伊坂のみが成功したので、彼は「何らかの違和感を覚える事ができた」と説明。いい具合に警戒して頂いたところでシーンをぶった切ります(笑)

 

 

シーン4 シーンプレイヤー:渚

 

 という訳で戦闘終了と同時に一旦シーンを切り、暫くは情報収集という名の罪稼ぎです。ただし、昏倒したアートの様子を描写したりして、案外時間ないぞーみたいな事を示唆してみたりしました。実際は遅すぎた場合の事を何にも考えてなかったので、急いで欲しかっただけですが(苦笑)

 

GM:幸いにして周囲に人影はなし、倒された敵は空間に溶け込むようにして姿を消す。という訳で、君たちはこれからMMMの影を気にしつつ情報収集を行うことになる。項目は以下の通りだ。

 

・アートについて

・紳士について

・現状について

・MMMについて

 

GM:現状についての最高難度項目は違和感を覚えた者、つまり伊坂のみが調べられる。MMMは情報というよりは遭遇率を下げる事になる。このままだと全員が情報収集を終える度にランダム遭遇だ。人間性の垂れ流しはあまりお勧めできないな。

 

 軽く相談タイムがあり、順当にMMMについて、現状について、アートについてを調べる事に。まともな【社会】を持っているPCはいないけれど、各々が別能力で代用するアーツやらアイテムやらを利用し、少ない財産点まで捧げ、全ての項目を一発で全部クリアします。ここまで必死に急いでくれると、GM冥利に尽きるといった気分です。

 この情報収集の結果、MMMとの遭遇を完全に回避することに成功し、デパート自体が一つのドミニオンに閉ざされていること、≪資産:法則≫により、一般人が逃げられないことが判明。さらにアートはやはりというか何というか、「ドミネーターに匹敵する力を持つ半魔」であると判明します。魔剣使いの魔神であるとも。

 

GM:全員の情報収集判定が終わったな? それじゃあ、シーンを1つ変えてイベントだ。MMMとのランダム遭遇はなく、シナリオイベントだな。アートが意識を取り戻すぞ。酷く衰弱してはいるが、今すぐ何がどうってこともなさそうだな。

 

 

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最終更新:2014年11月03日 20:44