イェニシ(Yenish)

東の果てにあると言われる島国。独自の文化・制度・高い知性を持つ。

さまざまな伝承、風土記などで語られ、イェニシ・オリエンス=”遠きイェニシ”と憧憬と共に呼ばれる。

ダイセンから直通で行ける海路はなく、また荒れた東の海を越えなければならないので実際に行ったことがあるという人はダイセンにはほとんどいない。そのためダイセンではおかしな「イェニシかぶれ」的な言葉が流行ったこともあった。

またダイセンとくらべて「番号持ち」の比率が低く、オタスと合わせても三分の一ほどである。しかしこれは国際的に見れば一般的な数値であり、ダイセンが異常に「番号持ち」が多いだけ。

 

 

  • イェニシの地理

​東海圏テイワン海キィビス諸島(地方)所属。キィビス諸島の中では一番面積が広い。

  • イェニシの武器

​イェニシで独自進化したとされる武器。巻物などがこれにあたる。

扱いが難しい者も多いが、珍品として裏で高値で取引されているため、狙われることも多い。

イェニシ出身の特殊武器には秘密コミュニティがあるとされる。後述する教育課程故、手練も多く、捕獲するには多大なリスクを伴う。

  • イェニシの国政

​タイショウ(大詔/オオミコト家)を国の首長として政治を行っている。

タイショウは亜人で、なおかつ身体のどこかに爻刻文字による番号があるものと決まっている。国中から探してオオミコト家に召し上げられるため、厳密には家系ではない。

現在のタイショウはまだ10歳の少女である。そのため監国(いわゆる摂政)置いている。

また「役人」という言葉がないため、行政に関わる役職を持つ者を「役持ち」と言ったりする。

  • 教育

​大変発達した学問を身につけている。特に識字・言語習得率はほぼ国民全員に渡る。

50年前に教育改革が執行され。イェニシ語以外に第一~第三言語の習得が義務付けられた。これにより若い世代ならほぼ全国民がイェニシ語・第一、第二、第四言語を話せる(ただし第四言語は発展中のため上擦りのみ)。必修ではないが、爻州語/オタス方言の授業も開設している。

教育に関してはテイワン海近郊の海外諸国と連携しており、相互援助のようなかたちになっている。東海圏外との交易が少ないにも関わらず、第一~第三言語が伝わっているのはそのためである。

また武器/特殊武器のための心身鍛錬が奨励されており、特別講座も開かれている。

  • 外原言語/キイビス語族イェニシ語派

イェニシの母語はイェニシ語。言語学においてはキイビス語族イェニシ語派に分類される。

ダイセンでは、第一~第四言語以外の言語という意味あいで外原言語(ガイゲン)と呼ばれる。

イェニシの属するキイビス地方(キイビス諸島および、北大陸クリルタイ半島、南大陸沿岸部の通称トーヤ集落群を含んだ地域)で使われてる言語系統だが、各国で独自に発展していてわりと差がある。

東海圏は海が荒れる地域であり、交易もさほど盛んではなかったためと思われる。

  • 爻州語/爻刻文字(こうしゅうご/こうこくもじ)

​キィビス語族イェニシ語派言語、またその発祥の地であるオタスの古代語であり、オタスではまだ一部使用されている。別名:オタス方言。 いずれ死語となる。

西海圏の学者が発見し、獣の骨にキズのように刻まれたその字を見て「爻」の字が当てた。

  • ”オタス”​

イェニシの行政自治区であり、現イェニシ国民の祖先とされる”オタスの民”が住む地。

自然と共に生きる自然崇拝の民。かつては全員が亜人だったが、人口流出や混血により近年その特徴を受け継ぐ者は減少傾向にある。

それでもイェニシでは未だ崇拝する者も多く、実際国政に進出する者を多く輩出している名家なども存在する。

  • オタスの名字

イェニシの人々の名字「花菱」「燕山」のようにイェニシ語で二~三文字、音にして四~五音で表せるものが多い。

それに対しオタスの民は、「黄」「栄」など、イェニシ語で一文字、音にして一~三音であることが多い。これは爻刻文字を使っていた頃の習慣をそのまま受け継いでいるとされる。

これに名前を合わせると例えば、「黄ノ志縞」のように名字と名前の間につなぎが入る。しかし別にこれを入れる決まりがあるわけではない。

  • 役名

​オタスの民がイェニシで役目(仕事)に従事する際によく使用する名前。特に行政に従事するものがよく使う。

例えば「黄ノ志縞」が通名では「キノ・シジマ」と名乗るのに対し、役名は「オウノ・シコウ」と名乗る。

 

  • アイデンティティ

はなからオタス>他イェニシという文化的認識があるためか、武器としても自立しているものが多いためか、国を人の集まりぐらいにしか考えてない者も多い。

国より家名、もしくは種族(亜人など)としてのアイデンティティを重要視する傾向が強い。「役人」という身分に対する言葉がないのもそのためと思われる。

どんな仕事をしていても、どんな仕事を求められても、それは自分のアイデンティティを決めるものではないという思考。

 

 

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最終更新:2014年11月17日 06:08