【COC】NO Fiction by碧虚

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気づけば暗い森の中一人。 自分は一体何をしているのだろうか。何をしていたのだろうか。 軽い頭痛に悩ませられながら回想する。 たしか、自分は自宅で友人らと、そうだ、ゲームをしていた。 そのゲームでは、狼の風体をしていた怪人に襲われ、友人はエクスカリバールと呼んでいた血塗られたバールを持って立ち向かっていた。 そう、今手元にあるような血塗れの錆付いたバールのような…。 待て、そうだ、ゲームでも夜の森の中を走って逃げていた。 今も逃げている。「何」から?後ろから聞こえてくるのは「何」の吐息だろうか。 振り向きたくない。自分は振り向きたくない!でも「何」かが追ってきている。 確認したい。「何」でも無い小動物だと確認して安心したい。そう確認する為に振り向きたい! 相反する二つのうち、勝ったのは振り向くという意思。 そうして走りながらも振り向いた先には…。 白。「何」の白?並んでいる鋭い歯の白。 赤。「何」の赤?舌の赤。肉の赤。誰かの血の赤。 臭い。「何」の臭い?獣の臭い。獣が「何」かを喰らった臭い。 あぁやっぱり。そんな諦めと絶望が胸を満たす。 それでもという怒りと足掻きが足を動かす。 そして口から漏れ出たのは 「あぁあアAh、誰か誰か誰かたすk…」 クトゥルフ神話TRPG『No Fiction』 創作は現実に。現実は創作に。 されどもこの現実にはリセットボタンもコンティニューも存在していない。
気づけば暗い森の中一人。 自分は一体何をしているのだろうか。何をしていたのだろうか。 軽い頭痛に悩ませられながら回想する。 たしか、自分は自宅で友人らと、そうだ、ゲームをしていた。 そのゲームでは、狼の風体をしていた怪人に襲われ、 友人はエクスカリバールと呼んでいた血塗られたバールを持って立ち向かっていた。 そう、今手元にあるような血塗れの錆付いたバールのような…。 待て、そうだ、ゲームでも夜の森の中を走って逃げていた。 今も逃げている。「何」から?後ろから聞こえてくるのは「何」の吐息だろうか。 振り向きたくない。自分は振り向きたくない!でも「何」かが追ってきている。 確認したい。「何」でも無い小動物だと確認して安心したい。そう確認する為に振り向きたい! 相反する二つのうち、勝ったのは振り向くという意思。 そうして走りながらも振り向いた先には…。 白。「何」の白?並んでいる鋭い歯の白。 赤。「何」の赤?舌の赤。肉の赤。誰かの血の赤。 臭い。「何」の臭い?獣の臭い。獣が「何」かを喰らった臭い。 あぁやっぱり。そんな諦めと絶望が胸を満たす。 それでもという怒りと足掻きが足を動かす。 そして口から漏れ出たのは 「あぁあアAh、誰か誰か誰かたすk…」 クトゥルフ神話TRPG『No Fiction』 創作は現実に。現実は創作に。 されどもこの現実にはリセットボタンもコンティニューも存在していない。

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