私はスペランカー。
たとえ体が弱くても,私は洞窟探検家。
今日もまた,未知なる洞窟を求めて旅を続ける。
その旅の途中で,こんな御標を聞いた。
「山奥にある洞窟の財宝を手に入れ…ｱｴｴｴｴｴ!」
…結末は途切れていたが,これが御標なのは間違いない。
そんなわけで,その洞窟に向かったんだ。
…ああ,無事に財宝は手に入れたさ。
こんな無様な姿になっちまったけどな。
こうやって会ったのも何かの縁。
せっかくだ,前に聞いた御標を,あんたにも伝えておこう。
「探検家は見事財宝を手に入れて戻り…ｱｴｴｴｴｴ!」
…夢を見た。
誰だか知らないが,赤いヘルメットに,青の作業着を着た屍があった。
その屍が,言葉を発したのだ。
しかし,言葉は途中で途切れてしまった。謎の「ｱｴｴｴｴ!」という断末魔と共に。
最近,多くの御標の結末が,謎の断末魔で途切れてしまっている。
その結果正しい御標がわからず,各地で異形の発生が増加しているようだ。
…とにかく,御標が歪んでいることには変わりはあるまい。
紡ぎ手たちよ,御標を守るべく,この事件を解決するのだ!
モノトーンミュージアム「断たれる御標」
－かくして,物語は紡がれる。
最終更新：2016年01月20日 22:41
