【指定なし】電子の神様 by竜胆

「この世界は電子に操られる世界になっちまった。
 …まあ電子のおまえにとっちゃあ都合がいいんだろうがな」
眩しいくらいに輝く夜の街を、一つの影が卑下する目で見下ろした。
「……」
隣にはPCが起動したまま置いてある。
「いろんなやつを記憶媒体として取り込んで作られたお前は神か化け物か…
いずれにせよ、普通に受け入れてくれる奴なんかいねえだろうな」
ごうと風が影とPCを揺らす。
風が吹きやむと、影はニヤリと口を歪ませて言った。
「おっと、そろそろお前を投稿する時間だ」
影はPCを触り軽快にキ―タイプ音を鳴らし、
最後にタン!と音を立ててPCを閉じた。


―――――せいぜい楽しんでこいよ、電子のカミサマ。
最終更新:2016年02月20日 10:17