【指定なし】最後の龍と王杯伝説 by鈴野涼華

「マーマ、マーマ。おっぱい、おっぱい」
「そう、これが王杯(おうはい)よ。この国の大切な宝物なの」

一人の男の子が絵本に描かれた杯を指さし、母親に嬉しそうに話しかけた。
母親はその子の仕草を見ると、慈しむように微笑み、彼を抱き上げ、頭をなでる。
この絵本には、この国に代々伝わる伝説と伝説にまつわる宝が描かれていた。

この国には「王杯という」聖杯が存在する。
伝説によると、初代国王となった人物が倒した龍の牙から作られたのだという。
この杯にはいつも並々と水が入っており、水が減った分だけ、杯から湧き上がってくるのだ。
そして、飢饉や戦で民の心が荒み、多くの命が危機に瀕した時、この杯の水はスープとなり、皆の心を癒すのだという。

そして、今日は皆から愛されているこの国の王子の成人の儀を執り行う日。
それと同時に、王杯が人前に出る数少ない機会の日でもある。
皆が王子の成人を祝福する中で、何者かによって王杯が盗まれてしまう。

……そして、君たちの下に、この王杯奪還の命が下った。

シナリオ名:最後の龍と王杯伝説

……最後の一匹となった龍が最後に思うのは、何なのだろうか・・・

システム:指定なし


名前:
コメント:

すべてのコメントを見る
最終更新:2015年03月06日 01:01