シナリオ
※エネミーデータの一部は「常闇のシェヘラザード」で追加されたものを利用しています。
○今回予告
「演奏家の奏でる音楽は,人々を幸せにするのでした。めでたし,めでたし」
筆音の国。多くの楽団が組まれ,上手な楽団は街で演奏を行うことで国の人々の心を魅了する。
しかし,どうやって上手な楽団を決めるのか?アマチュアの楽団はコンクールに出場し,そこで優れた演奏をする
団体を決めているのである。
その日も街ではプロの楽団が演奏を行い,人々に幸福をもたらしている。それが御標なのだから。
―これは,そんな筆音の国で起こった,御標を巡る大事件。
モノトーンミュージアム「奏でられた狂奏曲」
―かくして,物語は紡がれる。
○ハンドアウト
PC1:パートナー…ファニル 感情…友情
キミの友人,ファニルはソルベイ・ダートルというアマチュア音楽団のメンバーである。
今日は彼女にコンクールの招待券をもらい,彼女の演奏を聴きに来たところである。
そこでキミは,1つの御標と出会う。
PC2:パートナー…PC1 感情…偏愛
キミは過去,PC1に助けられたことがある。キミはそのPC1の勇姿に感動し,いつしかPC1のことを好きになっていた。
一般人であったキミがなぜ紡ぎ手になったかはわからないが,とにかくこれも運命の女神様が
ずっとPC1の側にいなさいと告げたのだろうと思い,今日も実るか分からぬ恋を胸に,PC1とコンクールに来ている。
そうしたら,キミは1つの御標と出会った。
PC3:パートナー…アダレイ 感情…尊敬
キミは作曲家アダレイの弟子だ。彼の作る曲はいつも街に幸せを運び,彩りを与える。
そんな彼から作曲のいろはを尋ねようと弟子入りしたが,今日も下働きが続く。
そんな中,今日街を彩る音を聞くと,あることに気が付く。
PC4:パートナー…ベル 感情…憐憫
キミは作曲家ベルの幼馴染だ。小さいころに彼女は大きな悲しみを背負ったが,
彼女を助けたのは,紛れもないキミであった。今でも彼女は自身の曲の評判がよくないことで悩んでいるが,
そんな彼女に幼少期のことを重ねて見られるのもキミだけだろう。
そんな中,今日街を彩る音を聞くと,あることに気が付く。
PC5:パートナー…ファニル 感情…庇護
ファニルがシロフォン演奏家となる道を作った人,それがキミだ。それゆえに,彼女がプロの演奏家に
なってほしいと心の底から思っている。コンクールでも,できればソルベイ・ダートルに優勝してほしい。
その思いの中で,キミは1つの御標と出会う。
注意:ファニルを通じて,PC1とPC5は知り合っていることにしてください。
また,この国は紡ぎ手を異端の者として扱います。
公の場で紡ぎ手の力を用いることは避けるよう明言するとよいでしょう。
○オープニングフェイズ
- シーン1:シーンプレイヤー…PC4 登場:PC4,ベル
「はぁ~。いつになったら私の曲も売れるんだろうなぁ~」
公園でベルが愚痴をこぼす。もうこれで何度目だろうか。
いつも気丈に振る舞うベルも,キミの前だけではこのような悩みを打ち明けてくれる。
ロールプレイが一通り終わるか,会話がいい流れで終えられそうだと判断したら次に進みます。
「やっぱり(PC4)にはいっつも世話になっちゃってるね~。わりぃな。」
そう言って,いつものベルに戻る。その頃には街を彩る音楽が始まっていた。
「お,この曲は!なぁ,覚えてるか?前に聞かせただろ?」
そう言ってベルはキミに問いかけてくる。
GMはここで[知覚]判定を要求してください。目標値は10です。
成功した場合,その曲がベルの作ったものであることを思い出します。
そのことを伝えると,ベルは次のように返答します。
「ああ,そうだよ。こうやって私の曲が聞けると嬉しいもんだね~」
失敗した場合は何も思い出せません。
「ほら,私の作った曲だよ。しかしこうやって私の曲が聞けると嬉しいもんだね~」
「よし,アダレイに言ってこようかな~。やっぱりあれが神様が嘘言ってたんだよ~!」
そういってベルは公園を走り去ります。これでシーンは終了します。
- シーン2:シーンプレイヤー…PC3 登場:PC3,アダレイ,ベル
「じゃあ,これ書庫に持って行って。ついでに例の本持ってきて」
師のアダレイはキミにお願いをする。弟子入りしてからというものの,いつもアダレイの下働きばかりである。
彼の手伝いで書庫に行くと,街から音楽が聞こえてくる。
GMはここで[知覚]判定を要求してください。目標値は8です。
成功した場合,その曲はアダレイの作ったものではないことがわかります。
失敗した場合は特に何もわかりません。
書庫からアダレイの元に戻ると,彼が話しかけてくる。
「ところで,今日流れていた曲は何だい?」
キミが答えようとしたところ,突如扉を叩く音がする。
「お~い。私だよ,ベルだよ~」
彼女を中に招くと,こう話してきた。
「今日流れているのは私の曲なんだよ。こんなの初めてだからすっごく嬉しいもんだな」
彼女はそう話してくる。
「まあ,そうでしょうね。ただ,あなたは神の言葉に背いたのでは?」
彼が切り返す。それに対して,彼女はこう返答する。
「え?あんなの神様が嘘言ってたんだよ。じゃなかったらこんなことにはなってないだろ?」
そして,彼女はこう続ける。
「これからは忙しくなるだろうな~。あ,そろそろ家に帰らないと。じゃあな!」
そう言ってベルは去っていった。
もしここまででPCがベルのことを調べたいと言った場合,[縫製]判定を行わせてください。目標値は12です。
成功したら,彼女は確かに御標に背いていたことがわかります。失敗した場合は何もわかりません。
その様子を見てアダレイがキミに話しかける。
「何か嫌な予感がするわね。ちょっと調べてきて。あの子とはいい仲だからね……」
ロールプレイが一通り終わったらPC3をベルの家に向かわせて,シーンを終了させてください。
- シーン3:シーンプレイヤー…PC1 登場:PC1,2,5
キミたちは筆音の国で一番の規模を誇るコンサートホールにいる。コンクールの会場がここだ。
入り口で出会ってもいいですし,中に入ってから出会ってもよいでしょう。互いに顔を合わせておいてください。
ロールプレイが一通り終わったら,ソルベイ・ダートルの演奏が始まります。
演奏も中ごろ,曲も佳境に差し掛かったその頃。曲のメロディーに乗って,なぜか声が聞こえてくる。
―感動の涙を狂気が飲み込み,絶望の涙が流れ続けるのでした。めでたし,めでたし。
ここで「歪み表」の「色彩喪失」を選択し,適用してください。
世界が白黒となり,この異常事態にコンクールは中断されます……。
やりたければ,この事態にパニックになり,涙を流し続ける観客たちを演じてもいいでしょう。
これでシーンは終了します。
○ミドルフェイズ
- シーン4:シーンプレイヤー…PC4 登場:PC4(,ベル)
別れ際に行ったベルの一言。
「やっぱりあれが神様が嘘言ってたんだよ~」
あれ,とは何だったのだろう。頑張れば思い出せそうだ。
GMはここで[意志]判定(目標値10)を行ってください。
成功した場合,次のやりとりを思い出します。
「『こうして作曲家をやめ,別の道をさがしましたとさ。めでたし,めでたし』だってさ」
いつものように,ベルが愚痴をこぼす。しかし,これはどうも御標のようなものらしい。
「私はこうやって作曲するのが性に合ってるんだけどね~。まあ確かに売れはしてないけど,
だからといって神様まで『やめろ』だなんて言わなくていいと思うんだけどなぁ~」
御標ならばそれに従わないとダメだ,と彼女にはしつこく言った。けれども…
「あんたもそう言うのか…ただ,やっぱり私自身,諦めがつかないんだ。
だから,もうちょっと作曲は続ける。それでやっぱりダメだったら,そのときは
神様の言葉に従うことにするよ」
そう言って,ベルは家に帰り,作曲を続けていった…。
これを思い出すと同時に,キミは「もしかしたらベルは異形になってしまったのではないか」
と心配になる。
失敗したときは何も思い出せませんが,「ベルとまた会えば,何か思い出せるかもしれない」
という手ごたえを得ることはできます。
どちらにせよ,ベルの家に向かうことになります。これでシーンが終了します。
- シーン5:シーンプレイヤー…PC5(いなければPC2) 登場:PC1,2,5
コンクール会場にいた人々はほとんどが外に出て,君たちとソルベイ・ダートルだけが残っている。
紡ぎ手の力を使うのであれば,今くらいしかないだろう。また,必要があれば
彼らの使っていた楽器や演奏曲などを知ることもできそうだ。
楽器を調べる場合は[感応]判定(目標値10),演奏曲を調べる場合は[知覚]判定(目標値8)を要求してください。
1.メンバーの使っていた楽器を調べると,どの楽器も基本的にまだ2,3年しか使われていない
ことが分かります。しかし,ファニルの使っていたシロフォンだけは非常に古いもので
あることもわかります。
もしPC5がいれば,これはPC5がファニルにプレゼントしたものであることを伝えてください。
2.楽器を実際に弾く,あるいは弾いてもらうなどする場合は[感応]判定(目標値10)を行ってください。
すると,チューニング,あるいは調律がまともになされていないことがわかります。
3.演奏曲を調べると,曲名は「狂奏曲第九番『狂涙』」であることがわかります。
その曲が全体を通じてどのようなものであるかはわかりませんが,激しい音の跳躍が
多く,また楽譜中に「わざと音を外す」という指示があるように,とても狂った曲で
あることがわかります。
2.と3.の両方の情報を得たら,この曲のためにわざとチューニングをしていないことがわかります。
情報収集を終えたら,ファニルがキミたちに話しかけてきます。
「今からこの曲を作ってくださったベルさんのところに行ってくるね…」
そういってファニルが去っていきます。これでシーンが終了します。
- シーン6:シーンプレイヤー…PC3 登場:PC3,4
アダレイに言われてベルの調査に出たキミは,まずベルの家に行きます。
そこでPC4と合流してください。その後,お互いの情報を共有してください。
そして,ベルの家に入ろうとします。しかし,扉には張り紙がしてあります。
「外に行っています」
これを見て,ベルを探しに行こうとするところでシーンが終了します。
- シーン7:(マスターシーン) 登場:ベル,ファニル
囁きの丘。ここを吹く風は曲を奏で,人々の心を癒すことで知られている。
しかし,今日の風は違った。
「ベルさん,コンクールで狂涙を演奏させていただいたのですが……」
ファニルが言いにくそうに言葉を発する。
「そこまででいいよ。やっぱりそうなったか……」
ベルがその言葉を遮る。
「いつからか,こんなことになっちゃったんだよね。
ファニル,もしかしたらあんたにもこうなるときが来るかもしれない。だから,……ごめん。」
ファニルの耳をベルが塞いで,こうつぶやいた。
「演奏家は,絶望を与える曲を世に広めるのでした。めでたし,めでたし。」
…呟いてしまった。歪んだ御標を。(歪み表を振る。ただし,2と12の場合,効果は無視する)
「タ…タ…タスk………」
- シーン8:シーンプレイヤー…PC1 登場:PC1~5
最初はPC1,2,5のみ登場します。
街全体を包む音楽。今日の音楽はベルのものである。
多くの曲は気分を高揚させる,素敵なものであった。
そして,曲が移り変わる。
今までのものと違い,気が狂ったかのような曲調。コンクールで聞いたあの曲だ。
悲哀,狂気,絶望を催すその曲は,まさしく「狂奏曲」というにふさわしい。
そして,この曲の中ごろ。先ほどと同じく,やはり曲に乗って御標が聞こえる。
―そして,この国は狂気に呑まれるのでした。めでたし,めでたし。
(歪み表の中から「色彩喪失」を選択する。)
突如として起きた異変に逃げ惑う人々。国中がパニックに
街に出現するほつれ(1D6個)を解消するようにしてください。一通り解消したら次に進みます。
ふと見ると,同じようにほつれを解消する人たちがいる。
同じ紡ぎ手たちのようだ。彼らと合流しよう。
ここでPC3,4が登場します。このとき,剥離値は+1して登場してください。
合流したのち,情報共有をしてください。共有を終えたら,シーンが終了します。
- シーン9:シーンプレイヤー…PC2 登場:PC1~5(任意)
ベルはどこへ行ったのだろうか?それを調べるために,人々に聞き込みを行うことにした。
GMはここで,[社会]判定を要求してください。目標値は10です。
誰か一人でも成功した場合,ベルは「アダレイのところに行った」ことがわかります。
全員が失敗した場合は何もわかりません。このシーンが繰り返されます。
アダレイの元に向かったところで,シーンを終了してください。
- シーン10:シーンプレイヤー…PC3 登場:PC1~5,アダレイ
アダレイの家に着いた。外ではアダレイが待っていた。
「ベルのことでしょ?ファニルを連れて囁きの丘に行ったわよ」
また,シーン4で判定に失敗していた場合,アダレイは次のことを話します。
「ベルは少し前に,『こうして作曲家をやめ,別の道をさがしましたとさ。めでたし,めでたし』という御標を聞いたと言っていたわ。ただ,彼女はその御標に背いて,作曲を続けたのよ。たぶん,彼女は悲劇の運命を辿ったわ。救えるのなら救ってほしいけれども,無理だったらいいわ。せめて一思いに,葬ってあげて」
キミたちとの会話を一通り終えてここから立ち去ろうとしたとき,
アダレイはキミたちに次の言葉を投げかけます。
「きっと,この異常事態を解決できるのはあなたたちだけ。頼んだわよ」
これでシーンが終了します。PCたちは囁きの丘に向かいます。
○クライマックスフェイズ
- シーン11:シーンプレイヤー…PC1 登場:PC1~5
囁きの丘。いつもとは違い,ここでは狂気の音楽が流れていた。
「タス……ケテ……」
ファニルの声がする。そのすぐ傍には,ベルがいた。
「本当,いつからだろうな…。思ったことがそのまま現実になってるんだよ。
やっぱりあの神様の言葉に背いたからなのかな。
…じゃあ,世界は私の思い通り,ってことか!」
ベルが本性を表した。
伽藍としての本性を現したベルとのロールプレイをしてください。
その際,会話は次のベルの御標で終わらせてください。
「作曲家はその命を狙うものを殺しましたとさ。めでたし,めでたし」
ほつれが現れます。誰も歪みを引き受けない場合は,歪み表を振ってください。
そして,戦闘に突入します。相手は「ベル」と「ファニル」の2名です。
以下のボスデータを参照してください。勝利条件は,「ベル」が戦闘不能になることです。
○ボスデータ
種別:異形 レベル:12 サイズ:1
クラス:芸術家:4LV 僧侶:4LV
肉:13/+4 知:15/+5 感:18/+6
意:12/+4 社:11/+3 縫:12/+4
命:7 回:5 術:10 抵:6
行:11 剥離値:20
HP:100 MP:70
攻:<殴>+5/物理 対象:単体 射程:至近
防:斬3/刺4/殴4/術5/縫3
特技:
《虚ろなる魂》:バッドステータスを受けたときに使用。HPを3点失うことでバッドステータスを回復する
《無慈悲なる一撃》3:攻撃のダメージロールに+[(SL)D6]する(計算済)
《無限の魔》:代償を支払うことなく特技を使用可能
《神の拳》3:対象に<術>属性のダメージを(SL)D6点与える
《祈りの歌》3:シーンSL回。「対象:単体」の「種別:術」の特技と同時に使用。対象を「範囲(選択)」に変更
《芸能発露》3:シーンSL回。判定を行う直前に使用。判定値を【感応】に変更し,戦闘中であれば更に達成値に+[クラスレベル+4]する
《音曲家》5:「種別:術」の特技または判定値に《芸能発露》を使用した特技と同時に使用。その射程を+[SL×5+5]mする(射程が至近の場合,射程を[SL×5+5]mに変更する)
逸脱能力:
《憤怒の一撃》□□:ダメージロールに+8D6(このダメージは軽減不可)
《虚構現出》□□□:対象の使用した逸脱能力を無効化する
《憎悪の魔弾》□ :実ダメージを受けた際に使用。受けたのと同じだけの実ダメージを,ダメージを与えた対象にも適用する。このダメージは逸脱能力以外では軽減不可
《瞬速行動》□ :イニシアチブプロセスで使用。即座にメインプロセスを1回行う
攻撃:
《神の拳》+《音曲家》
タイミング:メジャー
判定値:9 難易度:対決 対象:単体 射程:45m
攻撃力:《術》6D6
《神の拳》+《芸能発露》+《音曲家》+《祈りの歌》
タイミング:メジャー
判定値:14 難易度:対決 対象:範囲(選択) 射程:45m
攻撃力:《術》6D6
種別:人間 レベル:6 サイズ:1
肉:10/+3 知:15/+5 感:15/+5
意:12/+4 社:12/+4 縫: 9/+3
命:5 回:4 術:7 抵:5
行:8 剥離値:9
HP:60 MP:40
攻:<殴>+5/物理 対象:単体 射程:至近
防:斬2/刺3/殴3/術5/縫4
特技:
《賢者の知恵》2:1演目[SL+1]回。対象(単体)が判定を行った直後に使用。判定のダイス目を+1する
《賢しき一手》1:シーンSL回。「難易度:対決」ではない「タイミング:メジャーアクション」の特技を即座に使用できる
《阿吽の呼吸》2:対象が次に行うメジャーアクションの達成値+2,ダメージ+[(SL)D6]。対象がパートナーならダメージに更に+1D6
《芸能発露》2:シーンSL回。判定を行う直前に使用。判定値を【感応】に変更し,戦闘中であれば更に達成値に+[クラスレベル+4]する
《音曲家》2:「種別:術」の特技または判定値に《芸能発露》を使用した特技と同時に使用。その射程を+[SL×5+5]mする(射程が至近の場合,射程を[SL×5+5]mに変更する)
メインプロセスでの行動:
《阿吽の呼吸》
タイミング:メジャー
判定値:自動成功 難易度:なし 対象:単体 射程:10m
効果:対象が次に行うメジャーアクションの達成値+2,ダメージ+2D6。対象がパートナーなら更にダメージ+1D6
《阿吽の呼吸》+《芸能発露》+《音曲家》
タイミング:メジャー
判定値:自動成功 難易度:なし 対象:単体 射程:25m
効果:対象が次に行うメジャーアクションの達成値+2,ダメージ+2D6。対象がパートナーなら更にダメージ+1D6
戦闘終了時にファニルが戦闘不能になっていない場合,ファニルは操りが解けたかのようにその場に倒れます。
しかし,そのファニルも既に異形となる寸前。最後の力を振り絞り,ベルは言葉を紡ぎます。
「演奏家は…異形と化し……国を……絶望に……導くの……でした………」
直後,ファニルの周りにほつれが現れます。この歪みを引き受けるならば引き受けてください。
誰も引き受けない場合,「歪み表」中の「神権音楽」を適用してください。
戦闘終了時にファニルも戦闘不能になっていた,あるいは死亡していた場合,この演出は飛ばします。
○エンディングフェイズ
まずは剥離チェックを行ってください。その後,クライマックスフェイズの結果によって次のように分岐します。
1.ベルを倒したときにファニルは戦闘不能になっておらず,周りに現れた歪みを誰かが引き受けた
- シーン12:シーンプレイヤー…PC4 登場:PC1~5,ファニル,アダレイ
戦いは終わった。
「あ……ありがとう……ございます。助けていただいて…」
ファニルも意識を取り戻したようだ。
「やっぱり,あなたたちのおかげよね。私からも礼を言うわ。ありがとう」
いつの間にか,アダレイも来ていたようだ。
…こうして,キミたちは今まで通りの日常へ戻っていった。
ただ一人を除いて。
ここからはPC4のみ登場します。
いつもの公園。いつもの場所。でもそこに,いつもの人はいない。
なぜなら,この手で彼女を葬ったからである。
「そういえば,あなたはいっつもここでベルと一緒にいたわね」
話しかけてくる人がいた。顔を上げると,その人はアダレイだった。
「悲しいことよね。大切な友を,自らの手で殺めないといけなかったのだから…」
一通りの会話をした後,アダレイはこう提案します。
「私のところに来ない?(PC3)も一緒にいるし,私も相談に乗ってあげられるわ」
この提案に対する返答次第で,終幕を紡いでください。
最後は次のように閉めると,モノトーンミュージアムらしさが漂うことでしょう。
―こうして,幸せを導く音が戻りましたとさ。めでたし,めでたし。
2.ベルを倒したときにファニルは戦闘不能になっていないが,周りに現れた歪みは誰も引き受けなかった
- シーン13:シーンプレイヤー…PC1 登場:PC1~5,ファニル
戦いは終わった…ように見えた。
しかし,それはただの幻想であった。
「世界を…私の…音色で……ぐちゃぐちゃに……」
ファニルが異形となってしまったのである。
彼女をそのままにすることもできない。仕方なく彼女に留めをさすのであった……。
紡ぎ手たるもの,時には友を倒さなければならない。
その辛さが,大きくのしかかってきたのであった……
辛いシーンではありますが,最後は次のように閉めると,モノトーンミュージアムらしさが漂うことでしょう。
―親友を犠牲に,幸せを導く音が戻りましたとさ。めでたし,めでたし。
3.ベルを倒したときにファニルは戦闘不能になっていた
- シーン14:シーンプレイヤー…PC1 登場:PC1~5,アダレイ
戦いは終わった。しかし,それには大きな犠牲を要した。
「やっぱり,あなたたちだったのね。ありがとう」
いつの間にかアダレイが来ていた。しかし,彼はこう言葉を続ける。
「ただ…音楽家の卵も同時に倒さないといけなかったのね……
とっても辛いことだと思うわ。でも,事件は解決した。
それは誇れることだと思うわ」
一通りの会話を行い,演目を終了してください。
最後は次のように閉めると,モノトーンミュージアムらしさが漂うことでしょう。
―親友を犠牲に,幸せを導く音が戻りましたとさ。めでたし,めでたし。
4.戦闘に敗北した
戦いは終わった。しかし,その戦いに負けてしまった。
国は絶望の曲に覆われ,その曲は世界へと広まっていってしまうことだろう。
どうか,これを阻止する紡ぎ手が現れんことを。
―曲は人の心を動かし,人に狂気を与えましたとさ。めでたし,めでたし。
(歪み表の「神権音楽」を適用する)
以上で演目は終了です。
元としたシナリオフック
最終更新:2015年03月21日 01:33