【ネクロニカ】ダブルクロス byチャッピー

薄暗く、ロウソクの火がゆらめく一室。
黄色人種特有の皮膚に、血の気の無い白い皮膚デタラメにツギハギにされている少女が一人、ベットの中で眠る人形を見つめている。
彼女は他のネクロマンサーから【ダブルクロス】と呼ばれている。
己の欲望の為に人形を作らず、ただただ、毎日、少年少女の死体を漁っては、人形に作り替えていく。

ぽたり、と透明何かが人形の頬に落ちた。

「ごめんね、私の力が無いせいでこんなことになって。
いつか桃源郷のような素晴らしい場所にって頑張ったけど、無理だった」

少女は瞳から流れ出る体液を袖で拭い、屋敷の外へ走り出す。
人形は何も知らず、おいてけぼり。
少女が屋敷の外へ出ると、ポケットの中から装置を取り出し、ボタンを押せば、屋敷は爆発する。

「もう戻れない。新しい桃源郷を探さなきゃ。」

燃え上がる炎の中、瓦礫によって無事な人形が存在するとは思わずに…。

永い後日談のネクロニカ【ダブルクロス】

ダブルクロス それは裏切りを意味する言葉。
そして、絶望を希望に変える言葉。

人形達は走り出す。作られた本当の意味を知るために。
そして、あの日何故屋敷を爆発しなければならなかったかを。


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最終更新:2015年03月28日 18:39