【SW2.0】誉れ無きおおかみの宗教戦争 bykeyヨロー

タイトル:誉れ無きおおかみの宗教戦争
システム:ソードワールド

 神々の戦争の最中のこと。太陽神ティダンに導かれ神となった獣がいた。
 逆神(さかがみ)フェーンリィル。あらゆることを疑い続ける性質を持った孤独な狼だった。
その大局に流されず、愚直に正しさを求め続ける姿をティダンは愛したが、狼はその性質故に伏せられることとなった。
 フェーンリィルは始祖神ライフォス率いる神々の在り方に疑問を抱き、神々にたった一人で刃向かった。
当然勝てるはずもなく、フェーンリィルは敗北しその獲物だった神器ともども大地深くに封じられてしまう。

 そして、時は流れ現代。
ある冒険家が偶然地下深くへと続く古代の遺跡を見つけ、その最深部で異様な神器を発見した。
細長く、先端は水平に歪んだ棍棒。いや、血塗られたように赤い先端は鉤爪のように尖っており、棍棒と言えるかどうかも怪しい。


「気に入って貰えたかな、私の魔槍エクスカリバール。
まぁオリジナルはザイアの青二才にへし折られたから、正確には“バールのような物”なんだがね」


 神器を手に取り困惑する冒険者の背に幼い声が届く。
振り向くと、獣の耳が生えた幼い少女がこちらを値踏みするかのようにこちらを視ていた。
彼女はしばらくそうしていたが、やがてこちらに歩み寄るとこんな事を言ってきた。

「突然だけど、君、私を信仰しないかい? 今ならもれなく第一信者なんだよ」
最終更新:2015年07月06日 11:53