シナリオ:孤独な放送者
システム:クトゥルフ
「こんにちは、皆さん。それでは、さようなら」
それが、彼女の最期の言葉だった。
私の親友だった。幼い頃からずっと同じ時間を過ごしていた。
彼女の事で知らない事なんて無かった。自殺なんてするような子じゃない。
なのに、なんで……
それは彼女が行なっているネットでの生放送で起きた。
かなり人気な放送で、その日も多くの人が集まった。
放送が始まる。黒かった画面に映像が流れる。
「こんにちは、皆さん。それでは、さようなら」
そこには、包丁で自身の首を掻っ切った彼女の姿が映されていた。
そこに、首から鮮血を噴水のように流しながら倒れている彼女がいた。
後日、警察が調査をするも自殺と断定。それ以上捜査が進む事も無かった。
彼女が自殺?そんな訳があるか。彼女がそんな事をするはずがない。
私は彼女の全てを知っている。彼女は自殺をするような人じゃない。
誰も彼女のことを知らない。誰も真実を知ろうとしない。
なら、私が真実を知るだけだ。
クトゥルフ神話TRPG「孤独な放送者」
『遺書の無い自殺は自殺ではない。』そんな言葉を何かの本で見掛けた事があります。
そうなのですね。自殺する人は、遺書を遺すのですね。
ならば、私も何かを遺さなくては。
「こんにちは、皆さん。それでは、さようなら」
【概要】
- 探索者の近しい人物が死んでしまいます。
- その人物はネットで生放送をしており、放送内で自らの首を切りました。
- 警察はこれを自殺と断定し、以降捜査を進めようとしません。
- 彼女は明るく、人生に不満など一つも無いかのように謳歌し、幸せそうな日々を送っていました。
探索者は、そんな彼女が自殺をするはずが無いと信じて疑いません。
- 彼女が死んだ真実を探るため、探索者は行動を開始します。
【補足】
- 『私』をPC1とし、それ以外の探索者は「事件に興味が湧いた」「PC1に捜索を頼まれた」など、
各々の理由があっても良いですし、全員が『彼女』と近しい関係にあった仲間でも良いでしょう。
- 『彼女』が死んだ理由としては色々考えられますが、邪神の関わる事件もしくは儀式に巻き込まれたと
するのが妥当だと思います。
PS:上記の内容は単なる一説です。シナリオに使う際は、
ご自身の都合の良いように設定を変える事をオススメします。
最終更新:2015年07月28日 01:37