第一話「決別」

脚本:高橋ナツコ/絵コンテ・演出:佐野隆史/作画監督:徳田夢之介

時は戦国。
天下統一目前だった魔王・織田信長が本能寺に散った後。力による支配で日ノ本の国を席巻したのは覇王・豊臣秀吉だった。
その軍勢には、秀吉に忠誠を誓う石田三成、三河領主・徳川家康の姿が。豊臣軍は抵抗を続ける関東名門・北条家の小田原城を包囲。
誰の目にも豊臣秀吉による天下統一がゆるぎないものと思われた、その時……。
奥州筆頭・伊達政宗は、自らの野望を胸に、ただ一軍で小田原へと向かっていた。
新たなる乱世が今、始まる!
(アニメ公式サイトより引用)


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※このページでは検証目的で「戦国BASARA Judge End」(テレコム・アニメーションフィルム制作)の映像を一部引用しています。
 サムネ表示なので、クリックすると大きめの画像へ飛びます。

・以下アニメの疑問点を紹介

+  早口でしゃべり倒す登場人物たち
 早口でしゃべり倒す登場人物たち
尺配分に問題があるのか、登場人物が多すぎるのか、全編にわたって登場人物が早口になっており、
間や情感や余韻といったものが皆無であるため会話劇がなんともせわしなく味気ないものとなっている。
そんな中、石田三成のシーンだけは何故か時間がゆっくり流れている傾向がある。
中心的素材に尺を多く取るのはある程度仕方がないだろうが、それにしても全体へのしわ寄せが酷く
バランスを欠いた構成のように思われる。

+  休めと言われて素直に休息をとる半兵衛
 休めと言われて素直に休息をとる半兵衛
半兵衛は自らの命が残りわずかであることを悟っている。
命ある限り秀吉の為に力を尽くそうとする半兵衛が、
例え秀吉の命令であっても指揮を放棄して休息をとることは考えられない。
そしてこの時、三成も同席している状態だが三成に動揺が無い事にも違和感を拭えない。

+  トレードマークと存在が消失した伊達兵達
 トレードマークと存在が消失した伊達兵達
「Are yoy ready guys?」兵「Yeah!!」
と交わすくだりが一度だけあるが、ヤンキー軍団であるはずの伊達軍が笠をかぶった他軍の雑兵と同様になっている。
そしてその後、消えてしまう伊達軍(存在しない隊列)
「隊列が乱れます!」
と申告する小十郎だが、周囲に隊列など存在しない。

特徴を没収され一般兵に
←OP前 ←その後

+  軍を置き去りにして突っ走る伊達政宗
 軍を置き去りにして突っ走る伊達政宗
戦国時代の国主としてまずあり得ない行動。
政宗は特に部下想いの台詞やエピソードが多いキャラであり、キャラクター性から見てもあり得ない行動。
中盤豊臣兵からの報告により「急速に接近する一軍」と秀吉へ報告があがったが、どう見ても二人しかいない。


+  三成の原作での象徴的な台詞の変更
 三成の原作での象徴的な台詞の変更
「斬滅する許可を!」が「惨殺する許可を!」に変更されている。
原作の三成の登場デモに使われる重要な台詞であり、三成の象徴的な台詞でもあるのだが、何故変更したのかは不明。
「惨殺する許可を」というのはあくまでもゲーム中の汎用台詞の一つ(しかも自軍が不利な状況でしか言わない)であり
また、明確な殺意を抱いた者にしか使われない台詞でもある。

+  半兵衛の病が周知の事実である
 半兵衛の病が周知の事実である
本来、半兵衛は病を気取られるのを嫌い秀吉にすら打ち明けていない。
しかし本作では家康や秀吉にも病を知られており、半兵衛の病を知ってから秀吉は変わってしまったと語られている。

2の台本全集で竹中半兵衛ストーリーモード最終章に
秀吉「どうした、半兵衛?」
 脚注:半兵衛が急に黙ったので様子をうかがう(秀吉は半兵衛の病を知らない)
半兵衛「いいや秀吉、君は何も気にしなくていい」
 脚注:微笑みながら「君は知らなくていいんだよ、僕の病のことなんかね」
と記載されている。

+  半兵衛が寝所で休んでいる時に布団を使っている
 半兵衛が寝所で休んでいる時に布団を使っている
原作でキャラクターが寝るときは史実通りかいまきを使用しているが、本アニメでは掛け布団となっている。
掻巻=袖のついた着物状の寝具


+  家康の唐突すぎる絆論
 家康の唐突すぎる絆論
秀吉の何がいけないかを説く前に絆の力を熱弁し始める為、結果的に何が言いたいのか分からなくなっている。
その際に槍を捨て拳で戦うという描写がされているが、説明も無いままに槍を捨てている為に、何故家康が槍という武器から
拳での戦いへと変化したのか全く分からない状況になっている。

公式の登場人物箇所には
「天下泰平のため戦いを避けられないならばと、己も傷つくことを選び、武器をすてた」(戦国BASARA3公式サイトより)
と記されている。

+  三成より速い小十郎
 三成より速い小十郎
政宗に斬りかかった三成よりも遅れて動きだしたにもかかわらず、三成よりも速く移動し政宗を守る小十郎。
その間政宗は棒立ち。
その後三成に斬られる小十郎だが、派手に血飛沫を上げるも次のシーンにはその場所に傷は無い。
しかし次のシーンで傷描写が有る。が、血は流れない。
画像を見ると分かるが、大きく肩からみぞおちにかけて袈裟斬りのような形で三成に斬られているが、その傷の描写は無い。

斬られて血飛沫 傷が消える 傷描写で血は無し

+  政宗の名乗りを妨害する三成
 政宗の名乗りを妨害する三成
三成のキャラクターづけ以前に、たとえ破天荒なBASARA世界であっても戦国武将としてやってはいけない事ではないだろうか。

+  荒い筆文字での技名演出
 荒い筆文字での技名演出
テンポが悪い上に読みづらい。
肝心の「技」が出る瞬間に筆文字が出てストップモーション。逃げの演出。


上画像の直後に筆文字(三秒程この状態)
文字画像が終了後、下からアングル移動で既に技終了している状態

+  無かったことにされた伊達軍兵士虐殺
 無かったことにされた伊達軍兵士虐殺
原作において伊達軍の兵士たちが石田三成に無惨に殺されており、
リベンジを目指す政宗がそのことを悔やんでいる心境が、汎用台詞によって表現されている。
伊達軍にとって重要なシーンなのだが、上記の通り兵士が行方不明である為
兵士の虐殺は全て無かったことにされ
「部下を置き去りにして無鉄砲に突っ走った挙げ句、二人がかりで一人の男に挑み大敗した」
という、原作とは全く違う展開となり、今後政宗が三成を目指す理由が完全なる私怨と化した。

+  休息中だった半兵衛が着の身着のままで戦場に戻る
 休息中だった半兵衛が着の身着のままで戦場に戻る
軍師として名高い半兵衛が、武器も持たない丸腰の状態で戦場に戻ることの危険さを知らない訳がない。
秀吉が心配だったから、では説明がつかない無謀な行動である。
そもそも戦のまっただ中に手甲や脛当てを外すだけで無く、武具一式を外して襦袢姿で居る事自体が謎である。

+  倒れた半兵衛への対応
 倒れた半兵衛への対応
三成によって田舎のバス停のような場所に寝かされる半兵衛。
周囲の建物は豊臣秀吉と徳川家康の戦いによって殆ど吹き飛んでいるのに、ここだけ無傷というのはあり得ない。
そしてその際、三成が何処からかゴザを調達し半兵衛へ掛けるが、周囲が瓦礫の山と化している中で、何処にそんなものがあったのか。
非常にシュールな光景である。


+  舞台からの台詞流用
 舞台からの台詞流用
伝令が徳川の謀反を報せに来た際、その伝令を手に掛け「家康はそんな男ではない」と発言。
これは舞台「戦国BASARA3 宴弐」より流用された台詞である。考案は舞台演出:西田大輔。

+  秀吉の死に対する三成の反応
 秀吉の死に対する三成の反応
原作での三成ならその光景を見ただけで発狂しそうなものだが、この場面の三成は家康に詰め寄るほど正気を保っている。
家康に対して「何故裏切ったのか」をひたすら問い詰める三成だが、秀吉を殺したことについては後回しにしている。
秀吉の死よりも家康の裏切りにショックを受けているとも言え、三成のキャラクター性から有り得ない事と言える。

+  秀吉は家康を信頼していた
 秀吉は家康を信頼していた
家康の謀反は他の軍勢である信玄にも予期できていた事。
家康を配下に置く立場にありながらそれに気づけない秀吉と半兵衛が、かなり間抜けということになってしまう。
しかし三成との会話中に家康が「もうあの頃には戻れない」という発言をした為、かつては家康が豊臣を信奉していたかのような
演出になっている。
しかし元々家康は秀吉の天下を否定する立場であり、原作において秀吉を信奉するような描写は無い。

+  半兵衛の精神崩壊
 半兵衛の精神崩壊
この時半兵衛は秀吉の死も、家康の謀反も知らない可能性が高い。
秀吉を運んできた三成の姿を見たときには、既に幻を見ているような発言をしている為
秀吉の死によるショックで心が壊れたのではなく、死を目前に気が弱くなり夢うつつな状態になっていたと考えられる。
死の間際に心が壊れるというのは原作の半兵衛からは考えられない姿。

+  徒歩で追い付いた伊達軍
 徒歩で追い付いた伊達軍
政宗と小十郎がやられてから大分遅れて徒歩で現れた伊達軍の兵士。
馬はどうした。


最終更新:2014年10月03日 05:32