スワンステークス(G2)



主催者

日本中央競馬会

競馬場

京都競馬場

創設

1958年4月13日

距離

芝・外1400m

格付け

GII

賞金

1着賞金5500万円、賞金総額1億480万円

出走条件

サラブレッド系3歳以上(国際)(指定)

負担重量

グレード別定

スワンステークスは、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場の芝外回り1400メートルで施行する競馬の重賞(GII)競走である。毎日放送から寄贈賞が提供されているため、正式名称は毎日放送賞スワンステークスと表記される。競走名は英語で白鳥を表す「swan」から来ており、1957年に京都競馬場内の池の白鳥をオランダから輸入したことに由来する。

概要

1958年に5歳(現4歳)以上の競走馬によるハンデキャップの重賞競走として創設されたのが始まりで、創設当初は芝1800mにて行われていた。その後1961年に負担重量を別定に、1972年には芝外回り1600mに条件を変更した。
1984年のグレード制導入により本競走はGIIに格付けされ、4歳(現3歳)馬ならびに外国産馬の出走が可能になった。さらに施行時期を現行の10月下旬に、施行距離を現行の芝外回り1400mに移設し現在にいたっている。
1995年には指定交流競走となり、地方馬にも門戸が開かれ、1998年からは国際競走として外国調教馬の出走も可能になった。2007年に日本のパートI国昇格に伴い、国際グレードのGII競走に指定されている。
近年は特にマイル路線に駒を進めた3歳馬や、スプリンターズステークスを使った古馬がこのレースを挟んでマイルチャンピオンシップに向かうことが多いが、有力馬は毎日王冠(東京競馬場・芝1800m)や天皇賞(秋)(東京競馬場・芝2000m)といった中距離のレースを経由して向かう傾向があり、2000年代以降、当競走からマイルチャンピオンシップを制したのは第53回のエーシンフォワード1頭のみで、2着に入ったのも第50回のスーパーホーネット、第55回のグランプリボスの2頭のみである。一方、マイルより短距離に実績のある競走馬が多く出走することもあり、ほぼ毎年のようにタイムは速く、1分19秒台を記録することも目立っている。1996年にこのレースでスギノハヤカゼが記録したコースレコードは未だに破られていない記録として残っている。なお、地方所属馬に限られるが、上位2着までにマイルチャンピオンシップへの出走権が与えられるトライアル競走である。
優勝馬にかけられるレイは長らく赤色だったが、2008年は青色に、2009年からは白色に変わった。
出走資格はサラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属馬(未出走馬及び未勝利馬は除く)、地方所属の競走馬(3頭まで)及び外国調教馬(9頭まで)。
負担重量は3歳54kg(11月に施行される場合は55kg)、4歳以上56kg、牝馬2kg減を基本とし、
施行日当日から1年前の開催週以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増
施行日当日から1年前の開催週以降の牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
施行日当日から1年前の開催週より過去のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増
以上の条件で斤量が課せられる。ただし2歳時の成績を除く。

歴史

1958年 - 5歳(現4歳)以上の競走馬によるハンデキャップの重賞競走としてスワンステークスが創設され、京都競馬場・芝外回り1800mで施行された。
1959年 - 当年のみ「皇太子殿下御成婚祝賀競走 スワンステークス」として施行。
1960年 - 前年の9月1日から日本競馬の時計が変更になったのに伴い、時計表示が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
1961年 - 負担重量を別定に変更。
1965年 - 関西テレビ放送から寄贈賞を受け、名称を関西テレビ放送賞スワンステークスに変更。京都競馬場の改修工事による振替開催により、阪神競馬場・芝1800mで施行。
1972年 - 施行距離を芝外回り1600mに変更。
1980年 - 京都競馬場のスタンド改築工事による振替開催により、小倉競馬場・芝2000mで施行。久保道雄が調教師として史上初の連覇。
1984年 - グレード制施行によりGIIに格付け。開催時期変更(5月から10月に移動)に伴い、出走資格を4歳(現3歳)以上に変更。施行距離を現在の芝外回り1400mに変更。混合競走に指定。関西テレビ放送がローズステークスへ寄贈賞変更により、名称をスワンステークスに戻す。
1991年 - この年以降、天皇賞(秋)の前日に施行。
1994年 - 京都競馬場の改修工事による振替開催により、阪神競馬場・芝1400mで施行。サクラバクシンオーが芝1400mの日本レコード1:19.9で優勝。
1995年 - 指定交流競走に指定。ヒシアケボノが芝1400mの日本レコード1:19.8で優勝。
1996年 - スギノハヤカゼが日本レコード1:19.3で優勝し、同レースで3年続けて芝1400mの日本レコードが塗り替えられた。
1998年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が4頭まで出走可能となる。
2000年 - 京都4歳特別廃止により毎日放送から寄贈賞を受け、名称を毎日放送賞スワンステークスに変更。外国調教馬の出走枠が5頭に拡大。
2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
2005年 - 本田優が騎手として史上初の連覇。
2006年 - 牝馬限定競走優勝馬の負担重量を軽減。
2007年 - 国際セリ名簿基準委員会により国際GII競走に指定。日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大。
2012年 - 基本負担重量を3歳55kg(11月に施行される場合は56kg)、4歳以上57kg(牝馬は2kg減)から3歳54kg(11月に施行される場合は55kg)、4歳以上56kg(牝馬は2kg減)に変更。
2014年 - この年から当競走の1着馬にマイルチャンピオンシップへの優先出走権が付与される。

歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1958年4月13日 ナンバイチバン 牡5 1:51 3/5 大沢真 玉谷敬治 浜田尚子
第2回 1959年4月5日 ゴールマイト 牡4 1:54 0/5 大久保正陽 大久保亀治 飯塚一
第3回 1960年4月17日 ミンシユウ 牡4 1.52.9 坂田正行 仲住達弥 鈴木美智慧
第4回 1961年4月9日 コダマ 牡4 1:52.5 栗田勝 武田文吾 伊藤由五郎
第5回 1962年4月8日 シーザー 牡5 1:50.6 清田十一 伊藤勝吉 伊藤由五郎
第6回 1963年4月10日 シモフサホマレ 牡4 1:53.1 境勝太郎 矢野幸夫 遠田光子
第7回 1964年4月12日 メイズイ 牡4 1:55.8 保田隆芳 尾形藤吉 千明康
第8回 1965年4月11日 アサホコ 牡5 1:51.8 加賀武見 藤本冨良 手塚栄一
第9回 1966年4月17日 バリモスニセイ 牡5 1:51.3 諏訪真 諏訪佐市 小杉咲枝
第10回 1967年5月7日 エプソム 牡5 1:52.2 山本正司 伊藤修司 谷田俊二郎
第11回 1968年2月25日 リユウフアーロス 牡5 1:51.9 宮本悳 橋本正晴 三好諦三
第12回 1969年4月20日 ダイイチオー 牡4 1:50.2 山本正司 高橋直三 上田正次
第13回 1970年2月15日 リキエイカン 牡4 1:50.9 高橋成忠 柏谷富衛 水上力夫
第14回 1971年1月31日 フアストバンブー 牡4 1:53.3 山本正司 伊藤修司 竹田辰一
第15回 1972年1月30日 タカラローズ 牝4 1:39.4 領家政蔵 田中良平 市川武二
第16回 1973年5月13日 フセノスズラン 牝5 1:36.5 野村彰彦 中村覚之助 浮田商事(株)
第17回 1974年5月19日 フジノタカワシ 牡4 1:36.3 飯田明弘 中村好夫 今津惣七
第18回 1975年5月11日 イットー 牝4 1:36.5 簗田善則 田中好雄 (有)荻伏牧場
第19回 1976年5月16日 ロングフアスト 牡4 1:35.9 松田幸春 松田由太郎 中井長一
第20回 1977年5月15日 フローカンボーイ 牡4 1:36.3 今岡正 佐藤勇 島田進
第21回 1978年5月7日 リキタイコー 牡4 1:35.9 福永洋一 服部正利 水上力夫
第22回 1979年5月6日 ホクトボーイ 牡6 1:36.2 田島良保 久保道雄 森滋
第23回 1980年3月9日 アグネスプレス 牡5 2:06.8 須崎昇 久保道雄 渡辺孝男
第24回 1981年5月10日 サツキレインボー 牡4 1:35.0 米元孝一 田之上勲 堀協操
第25回 1982年5月16日 アグネスベンチャー 牡4 1:34.2 久保敏文 久保道雄 渡辺孝男
第26回 1983年5月15日 ハギノカムイオー 牡4 1:35.1 伊藤清章 伊藤修司 日隈広吉
中村和夫
第27回 1984年10月28日 ニホンピロウイナー 牡4 1:21.4 河内洋 服部正利 小林百太郎
第28回 1985年10月27日 コーリンオー 牡4 1:22.2 小屋敷昭 白井寿昭 伊藤博仁
第29回 1986年10月26日 ニッポーテイオー 牡3 1:21.5 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第30回 1987年11月1日 ポットテスコレディ 牝4 1:22.8 西浦勝一 松永善晴 (有)ポット牧場
第31回 1988年10月30日 シンウインド 牝4 1:23.0 武豊 二分久男 林幸雄
第32回 1989年10月29日 バンブーメモリー 牡4 1:21.7 松永昌博 武邦彦 竹田辰一
第33回 1990年10月28日 ナルシスノワール 牡4 1:21.4 安田隆行 田之上勲 粟田政
第34回 1991年10月26日 ケイエスミラクル 牡3 1:20.6 南井克巳 高橋成忠 高田喜嘉
第35回 1992年10月31日 ディクターガール 牝6 1:21.4 岸滋彦 宮本悳 北川威
第36回 1993年10月30日 シンコウラブリイ 牝4 1:21.9 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第37回 1994年10月29日 サクラバクシンオー 牡5 1:19.9 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第38回 1995年10月28日 ヒシアケボノ 牡3 1:19.8 角田晃一 佐山優 阿部雅一郎
第39回 1996年10月26日 スギノハヤカゼ 牡3 1:19.3 田島裕和 鹿戸幸治 杉江義夫
第40回 1997年10月25日 タイキシャトル 牡3 1:20.7 横山典弘 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第41回 1998年10月31日 ロイヤルスズカ 牡5 1:21.9 上村洋行 橋田満 永井啓弐
第42回 1999年10月30日 ブラックホーク 牡5 1:20.2 蛯名正義 国枝栄 金子真人
第43回 2000年10月28日 ダイタクヤマト 牡6 1:20.4 江田照男 石坂正 中村和子
第44回 2001年10月27日 ビハインドザマスク 牝4 1:20.8 松永幹夫 北橋修二 (有)サンデーレーシング
第45回 2002年10月26日 ショウナンカンプ 牡4 1:19.8 藤田伸二 大久保洋吉 国本哲秀
第46回 2003年11月1日 ギャラントアロー 牡3 1:20.2 幸英明 崎山博樹 冨沢敦子
第47回 2004年10月30日 タマモホットプレイ 牡3 1:21.9 本田優 南井克巳 タマモ(株)
第48回 2005年10月29日 コスモサンビーム 牡4 1:21.5 本田優 佐々木晶三 岡田美佐子
第49回 2006年10月28日 プリサイスマシーン 牡7 1:20.3 松岡正海 萩原清 池谷誠一
第50回 2007年10月27日 スーパーホーネット 牡4 1:20.7 藤岡佑介 矢作芳人 森本悳男
第51回 2008年11月1日 マイネルレーニア 牡4 1:19.9 佐藤哲三 西園正都 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第52回 2009年10月31日 キンシャサノキセキ 牡6 1:20.3 C.スミヨン 堀宣行 吉田和美
第53回 2010年10月30日 マルカフェニックス 牡6 1:21.0 福永祐一 松永昌博 河長産業
第54回 2011年10月29日 リディル 牡4 1:19.4 小牧太 橋口弘次郎 前田幸治
第55回 2012年10月27日 グランプリボス 牡4 1:20.5 内田博幸 矢作芳人 (株)グランプリ
第56回 2013年10月26日 コパノリチャード 牡3 1:20.8 浜中俊 宮徹 小林祥晃
第57回 2014年11月1日 ミッキーアイル 牡3 1:20.3 浜中俊 音無秀孝


最終更新:2015年02月09日 18:14