あなたにとって、シミュレーションセンターとは?

  • 医療の質を改善するために、臨床現場を総合的に再現し、実践的な教育・研究・開発を行う場所。【聖路加国際大学】

シミュレーションの意義は?

  • 伝統的な臨床教育では、実際の臨床経験を積むことが唯一の教育手段であった。暗黙の了承で、未熟者や非資格者が患者で失敗経験を重ねることが技術向上の大前提となっていた。これは患者の安全意識が高まり、最善の医療を受ける権利が基本的人権として浸透している現代において許容されなくなってきている。

  • この状況を打破するために有望視されている手段がシミュレーションである。個々の手技等はもちろん、実際の臨床体験そのものを総合的に再現することができるシミュレーションは教育のみならず、研究開発においても患者関連のリスクや利益相反といった不正の懸念を払拭でき、医療の質の向上を図るための強力なツールである。

  • シミュレーションは今まで患者を練習台にして負わせていた教育の負債を肩代わりするものであり、多大なコストを要する事業である。このコストに見合う恩恵が得られていることを証明するためにも継続的なデータを収集と学術活動で、説明責任・会計責任を果たしていく必要がある。

​シミュレーション施設は必要なのか?

  • 単一職種なら、専用設備を使わずとも現場環境を頭の中で想像したイメトレ式のシミュレーション(症例検討など)を行ったり、特定の手技だけを単離して練習(スキルズラボ)することが可能であろう。これには必ずしも専用施設は必要ない。

  • 多職種の場合、相互関係やコミュニケーションが重要になってくる。それぞれの職種が何を考え、何を根拠に、何を求めて行動しているのか。机上の空論ではなく、患者を中心とした実際の現場環境での演習の価値が高まってくる。

  • 他職種・異業種を含める場合、医療現場そのものを想像してもらうことができないため、現場環境を用意する必要がある。

  • 医療機器の開発においては、ほぼ現場同様の環境を用意することが必然となる。完全にコンピュータの中で人体を再現できてしまう遠い将来がやってきても、最終的には現場同様の環境で検証する必要がある。いきなり現場に持ち込むことはリスクが高いため、なるべく高次元に現場を再現したシミュレーション環境を準備することが望まれる。

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最終更新:2014年12月10日 12:02