第二話「乱世」

脚本:高橋ナツコ/絵コンテ:佐野隆史/演出:高林久弥/作画監督:小林利充

小田原にて豊臣秀吉が徳川家康によって討たれたことは日ノ本中に知れ渡った。
大坂城に戻った石田三成は失意の中、徳川家康への復讐を誓う。
一方、秀吉を討った家康は甲斐・武田への侵攻を開始。
迎え撃つ、武田軍だったが、戦場の真田幸村と佐助は、足並みのそろわない武田軍に、違和感を感じていた……。
その頃、三成に敗れた伊達軍は、豊臣軍の追撃を逃れる為、軍神・上杉謙信の越後に足を踏み入れてしまうのだった……。
(アニメ公式サイトより引用)


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※このページでは検証目的で「戦国BASARA Judge End」(テレコム・アニメーションフィルム制作)の映像を一部引用しています。
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・以下アニメの疑問点を紹介


+  政宗より元気そうな小十郎
 政宗より元気そうな小十郎
前回、下手すれば政宗以上に深手を負ったように見えた小十郎だが、政宗よりよっぽど元気そうである。

+  幸村の口調
 幸村の口調
とにかく語尾が「ござる」一辺倒な幸村。
目上の者へ対し、より格式張った言葉遣いをしている幸村からは乖離した口調となっている。
信玄との遣り取りも以下の様な口調に。
「お館様ー!一大事でござる!」
(戦前の信玄との遣り取り中)「何故それが分かったのでござるか」
(戦中に病に倒れた信玄に名を呼ばれ)「此処でござる」

+  仲の良すぎる家康と三成(回想)
 仲の良すぎる家康と三成(回想)
原作における二人は互いの力を認めているものの、必要以上に馴れ合ってはいない。

+  家康の発言(回想)
 家康の発言(回想)
「秀吉公のつくる天下を信じている」「秀吉公との絆を信じている」
元々家康は秀吉の天下を否定する立場であり、原作において秀吉を信奉するような描写は無い。

+  微笑む三成(回想)
 微笑む三成(回想)
家康に対しても素っ気なく尖った言動が多い三成が、家康に微笑むなど原作の姿からは考えられない。


+  少なすぎる伊達軍
 少なすぎる伊達軍
一話において伊達軍の虐殺が行われなかったにもかかわらず、同行する兵士が極端に少ない。
初めからこの人数で進軍することは流石に無謀である。


+  冷たすぎる軍神・上杉謙信
 冷たすぎる軍神・上杉謙信
伊達軍の前に立ち塞がる謙信の言葉が異様に冷たく高圧的。
布陣していた意味もよくわからない。

+  小十郎の迷走
 小十郎の迷走
「見逃していただきたい」と情けを要求した直後に
「テメェをぶっ潰す!」と、急にキレる。
そもそも小十郎は敵に情けをかけられることを極端に嫌う武人であり、
不利な状況においても「見逃して」などとみっともない発言するはずが無い。
尺がないためか「見逃していただきたい」⇒「テメェをぶっ潰す!」への変化が一瞬で行われたため
極端に情緒が不安定な人間にしか見えず、コントのようであった。

+  折れたはずの刀が復活
 折れたはずの刀が復活
一話での三成との戦闘により小十郎の愛刀「黒龍」が折られてしまったのだが、
謙信をぶっ潰すと宣言した際に突き付けた刀は折られたはずの黒龍であり、刃こぼれ一つしていない無傷の状態だった。

一話該当場面 無傷の黒竜

+  意匠性の無い足軽の甲冑
 意匠性の無い足軽の甲冑
徳川軍、武田軍双方の足軽の甲冑に手抜き感が漂う。

色違いの単色甲冑

+  戦闘描写と説明の不一致
 戦闘描写と説明の不一致
「さすが徳川殿!一筋縄ではいかぬ!」
「うちの兵の動きが悪い」
と、自軍が押されている事を説明する幸村と佐助だが
その直前まで二人が徳川の兵を軽々倒しまくるシーンが描かれている為、武田軍が不利には見えない。

+  隙だらけの大技を披露する小十郎
 隙だらけの大技を披露する小十郎
「あと一撃の余力しかない」と己を分析するのはいいのだが、そのたった一度のチャンスに
本来は敵をダウンさせてから使う固有奥義の「輝夜」を披露、案の定あっさり謙信に避けられる。
スタッフが制作に入る前にゲームをプレイしていないことがここにも窺える。

+  更にみっともない姿を見せる小十郎
 更にみっともない姿を見せる小十郎
あっさり謙信に背中を切られ膝をつく小十郎。
「俺の首と引き換えに皆を見逃してくれ!」
と、先ほど謙信をぶっ潰すと見栄を切った時とは違う情けない姿で懇願するが
将として、竜の右目として、軍としての有り様を全て否定され
「戦う価値もない」
と冷たくあしらわれてしまう。
その後四つん這いで咽び泣くかのように呻き声を上げ、尻を突き出したまま倒れるという目も当てられない無様な姿が描かれる。
当然ながら原作のシーンとは大きくかけ離れている。
苦しい状況ながら活路を拓こうとする小十郎、そんな小十郎を将として認める謙信といった
原作での二人のやりとりは本作には無く、謙信は無様な小十郎を嘲笑って帰っただけである。

(上記上杉謙信と片倉小十郎のやり取りの元となっている宴ストーリーより抜粋)
小「軍神の掌は、血の通ったものと思っていた…」
謙「故に、傷ついた敵に手出しはせぬと?そのような楽観はそなたらしくもない」
謙「兵の為、最善を打つ。それが出来ねば率いる資格はありません」
小「結局、一番の半端者は俺か…」
謙「このわたくしを討ち、覆せばよいこと」
謙「そなたは武人から将へと成りつつある。見届けられぬのが惜しまれるほど…」
謙「不知明鏡裏…もどかしさを抱き、眠れ」
小「死中求生…俺は決して降りられねえ…!」


+  重傷の政宗をあまり気にしていない小十郎
 重傷の政宗をあまり気にしていない小十郎
敗走中の小十郎からは、重傷で意識不明の政宗を気にかける言葉が出くることは一切無く、
謙信に挑んだのも主君を守る為ではなく、自らのプライドを守るためであるかのように描かれていた。
本来小十郎は常に主君である政宗を第一に考えており、場合によっては政宗以外のものを切り捨てることができるほどの強固な忠義を持っている。
原作においては、当然ながら重傷の政宗を気にかけながらの敗走劇であり、
政宗を守るということについて、部下達との連帯感が発揮されていた。
政宗の身を案じる様子も無いままに首を差し出そうとするのは、彼の性格からして考えられない。

+  小十郎が一方的にやられているのにノーリアクションで棒立ちの伊達兵士
 小十郎が一方的にやられているのにノーリアクションで棒立ちの伊達兵士
ゲーム戦国BASARAの世界では、モブ兵たちがどの軍においても主君や副将をとても慕っている。
特に伊達軍はモブ兵士のキャラ付けもヤンキー風の見た目や言葉遣いであるなど個性的であり、
双竜(政宗・小十郎)だけにとどまらず、モブ兵士もストーリー上で重要な役割を果たし、
モブ兵士を含めた絆が描かれることが多い軍である。
このアニメにおけるモブ兵士たちは見た目からして無個性な足軽軍団と化した別物であるが、
それにしても自軍の将に対して冷淡すぎるとの指摘がされている。
伊達兵が驚いたような描写がされるのは、謙信に斬られた後の小十郎が二度目の嘆願をした時のみである。
謙信との一連の場面で、伊達兵は政宗を乗せた馬を引く元々下馬している兵以外は、馬上から降りる事すらしない。

最終更新:2014年08月17日 22:47